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2012年6月18日(月)

NHK日曜討論

市田書記局長の発言

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 日本共産党の市田忠義書記局長が17日のNHK「日曜討論」で行った発言は次のとおりです。


民・自・公の3党合意

民意に背いて公約裏切る暴挙

 民主、自民、公明3党の談合で、消費税大増税や社会保障制度に関して合意したことについて、民主党の樽床伸二幹事長代行は冒頭「自民、公明に敬意と感謝を申し上げたい」と発言。一方で、民主党が公約に掲げてきた最低保障年金制度導入と後期高齢者医療制度廃止の「旗は降ろしていない」などと強弁しました。

 これに対し市田氏は次のように述べました。

 市田 一言でいうと、国民の民意に背いて公約を裏切る暴挙だ。民主、自民、公明の3党だけで密室協議し、消費税大増税を決める。民主党の政権公約の目玉だった最低保障年金制度(の導入)、後期高齢者医療制度廃止は先ほど「旗を降ろしていない」と言われたが、これは棚上げ、実質上の撤回です。いわば民主、自民、公明が、かつての自公時代の「構造改革」路線を一路突き進むという点で合意した。社会保障は改革ではない。年金の削減、医療・介護の負担増です。消費税だけで13・5兆円(の負担)で、他の負担増を含めると20兆円です。所得税の最高税率を若干上げるといっていたが、これさえ(3党協議で)もうなくなりました。

 やるといったことをやらない。4年間は消費税上げないと(言っていた)。消費税増税法案を出すなんていうことは全然言っていないのに、やらないといったことをやる。言語道断の密室協議は許されないということを言っておきたい。

強引な採決は世論の7割が反対

国会の自殺行為で許されない

 樽床氏が「消費税は年金・医療・介護・子育てに対する目的税だ」などと発言したため、市田氏は「国会答弁でもそうではないと岡田副総理が認めている。“(増税分のうち)7兆円は他に回る。赤字の穴埋めにも使う”とおっしゃっている」と反論。民自公3党が21日に衆院で採決を狙っていることについても、こう批判しました。

 市田 今国会での採決ですけれども、どの世論調査をみましても、今度の増税法案に5割から6割が反対しているだけじゃなく、今国会で無理やり強引に採決するというのは7割ぐらいが反対している。民主党の国会議員さんも含めて、超党派で152名の議員が先日集まって、それから市民のみなさんも、たとえばスーパーマーケット協会の会長さんや、全国商店街おかみさん会の幹部も来られるようなそういう集会で、“いま強引にやるべきではない”という声が圧倒的だった。そういうときに、われわれ修正合意には参加していないわけですから、問答無用で、誰も知らないものを「会期末がきたからやっちまえ」というのは、もう国会はいらないということを言っているのと同じです。内容もけしからんけれども、そういうやり方で一気にやっちゃうっていうのは、もうこれは国会の自殺行為だ。許されないと思います。

貧困と格差拡大する増税法案

強行は議会制民主主義に汚点

 樽床氏が岡田副総理の発言を「聞いていない」などと述べたため、市田氏は「こういう討論会に出てくる以上、岡田副総理の答弁を聞いていないなんてけしからん」と批判しました。

 21日の採決をめぐっては、みんなの党や社民党、国民新党も批判。市田氏は再び発言しました。

 市田 これだけ国民生活に影響を与える、暮らしと経済、あるいは財政に、それから貧困と格差を拡大する重要な法案です。それを「会期末が21日だから、3党合意できたから一気にやっちゃうんだ」と。本当にこれはひどいやり方で、消費税(増税へ)の賛否を超えて、そういうやり方は議会制民主主義に汚点を残す。絶対やってはならない。

衆院選挙制度改革

80削減の撤回が論議のスタート

 次に民主党の衆院選挙制度改革案について議論となりました。

 市田 そもそも選挙制度はどうあるべきかっていうことを考えるときに、どの党にとって有利か不利かではなくて、国民の投じた票が正確に議席に反映されるかどうかということと、投票権の平等、1票の格差をなくす(ことを考えるべきです)。

 それで、この間の十数回の議論で、民主党を除いて、現行制度は民意をゆがめるという点でほぼ一致していたと思う。だから抜本改革が必要だと。

 ところが、2段階に分けて、結局定数を80削減するということに民主党が固執されているわけで、これを撤回することが論議のスタートです。私たちは比例代表中心の選挙制度にすべきだという考えですが、そこが一番大事だ。

 それから、「身を切る」ということで国会議員の定数削減と(言われるが)、これは「身を切る」のではなくて、「民意を切る」ことになると思います。しかも「消費税増税を認めてもらうために」というようなやり方は論外だ。

 国会議員の特権にメスを入れると言うのだったら、政党助成金廃止だとか、あるいは文書通信交通滞在費、これは高すぎますよ。議員歳費も、われわれも高いと思っています。(議員歳費は)2年間だけ削減でいいのかと(思っています)。ここにもしっかりメスを入れる。そういうことをやるべきであって、定数削減は「身を切る」ことではない。「民意を切る」ことだと(考えます)。

選挙制度は民主主義の土台

意見違うなか今国会採決はダメ

 市田氏はまた、各党間が協議している中で、民主党が比例削減を強行しようとしていることについて次のように語りました。

 市田 やっぱり、選挙制度っていうのは民主主義の土台です。意見が違うなかで強引に、このあいだの木曜日(14日)に提案して、もう今国会中に一気にやるというのはダメです。

 (この問題の議論が)幹事長・書記局長側に上がってから3週間、その間に全然われわれには連絡ないですよ。3週間後に突然(案を)出されて、もうすぐに決着というのはダメです。

大飯再稼働問題

固執でなく「原発ゼロ」の決断こそ

 関西電力大飯原発3、4号機の再稼働問題について、市田氏は次のように述べました。

 市田 西川(一誠)福井県知事が同意したからといって、福井県民が同意したわけではないし、多くの国民、6割、7割が再稼働に反対しているわけで、樽床さんは「国民の生活と経済、安心・安全のために」とおっしゃいましたけれども、それを壊したのが福島原発事故だったわけです。その事故原因もまだわかっていないし、とりあえず暫定の「安全基準」として30項目を政府が指示されたが、それすらできていないですよね。防潮堤のかさ上げすらできていないし、免震事務棟も3年先だし、それからベント(排気)対策なども先送り。そういう状況のもとで再稼働だ。

 しかも、電力不足をひとつの脅しにして、これ(再稼働)を迫るというようなやり方はひどい。原発の不安のなかですごすよりも、我慢してでも、節電してでも国民が協力するといっているときに、再稼働をやると。あくまでも原発に固執するという姿勢がそこに表れている。「原発ゼロ」の決断をすることが、いろんな問題を解決するうえで非常に大事だと思います。


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