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2012年6月18日(月)

主張

消費税増税

害悪は何も修正されていない

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 民主党と自公両党が15日深夜、消費税増税法案の「修正」協議で合意しました。消費税率を10%に引き上げる法案と、社会保障を政府案以上に切り捨てる「社会保障制度改革推進法案」などを今国会で成立させるとしています。

 民主党政権は「任期中は消費税を増税しない」という2009年衆院選の公約を投げ捨て、さらに社会保障の公約も根こそぎほうり出そうとしています。

財界いいなりの裏切り

 4月の兵庫での対話集会で野田佳彦首相は力説しました。「これは社会保障以外には使わない。社会保障に消費税を充てる。そこだけはぜひご理解を」―。信頼はあとかたもなく地に落ちました。

 3党合意は消費税増税法案の付則に、増税で生まれる財源を「成長戦略」にも配分する条文を盛り込むとしています。3党の「成長戦略」の中心は大企業応援の法人税減税です。自民党は「日本の再起のための政策」で「成長戦略」の筆頭に「法人税の大胆な引き下げ」を掲げました。「社会保障の財源」といいながら社会保障を切り捨てるだけでなく、消費税増税で生まれる財源を大企業減税に回すという決定的な裏切りです。

 合意を一番歓迎したのは財界です。「与野党が胸襟を開いて議論を行い、一定の合意に達したことを経済界として高く評価する」と経団連会長はのべています。

 財界は消費税を増税し社会保障を切り捨て、法人税を減税するよう企業献金をてこにして要求してきました。財界にすりよる民主党と、もともと財界いいなりの自公が密室で談合し、財界の身勝手な要求を国民に押し付ける―。こんなやり方は断じて許せません。

 「修正」協議によって消費税増税の害悪は修正されるどころかますます際立っています。

 消費税率の10%への引き上げだけで13・5兆円の負担増です。年金減額や年金・医療・介護の保険料値上げなどを合わせれば15年度までの負担増は今の政府の計画でも20兆円に及びます。3党合意で負担増はさらにふくらみます。

 こんな負担増を強行すれば、暮らしと経済に壊滅的な打撃を与えることは明らかです。野田首相がかつて、「定率減税の半減・廃止」は公約違反のだまし討ちだと小泉内閣を追及したときの言葉を借りれば、かぜを引いた日本経済を「肺炎にしてしまう」暴挙です。

 雇用の7割を支える中小企業の大半は消費税を価格に転嫁できずに身銭を切らされています。税率が倍の10%になったら商店街の商店も町工場も倒産や廃業が激増します。日本経済が悪化しないはずがありません。

「増税談合」を許さない

 暮らしや経営を成り立たせ、財源をつくり出す大もとは経済活動です。その経済を破壊すれば所得税や法人税が大きく減って財政危機をもっと深刻にします。大企業減税は危機に拍車をかけます。

 低所得層ほど負担が重い消費税が倍に増え、社会保障の切り捨てがすすめば、先進国で最悪水準の貧困と格差の拡大にさらに追い打ちがかかります。

 財界いいなりの消費税増税勢力の最大の弱点は世論の反対です。「増税談合」のおしつけを許さず、日本経済を破壊する消費税10%法案を廃案に追い込む世論と運動を一気にひろげましょう。


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