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2012年6月17日(日)

公約と民意に背いて「決められる政治」とは

政治部長 藤田 健

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 これほどの背信政権はない―。消費税大増税の3党合意や原発再稼働決定など、暴走を続ける野田内閣をみていてつくづくそう思わざるを得ません。

 「マニフェストに書いてあることは命がけで実行する。書いてないことはやらないんです。これがルールです」。2009年の総選挙でこう訴えていたのは、野田佳彦首相でした。

“看板”投げ捨てて

 ところが、「4年間は消費税を上げない」といっていたのに、消費税10%への増税を自民、民主との密室談合で決めました。「後期高齢者医療制度は廃止する」「最低保障年金を創設する」。マニフェストにはこう書いてあったのに、増税とひきかえに棚上げし、政党の命というべき看板政策の最後のかけらまで投げ捨てる。そのうえ、政治の枠組みでも政権交代の看板を捨てて、事実上の「民自公悪政大連立」に走ったのです。こんな政権に政治を担う資格などありません。

 原発でもやってはならない再稼働を決定しました。しかも、「福島のような事故を起こさない」と新たな「安全神話」をふりまき、「ブラックアウト(突発停電)が起こるような状態があったときには大変な悪影響が出る」(10日)と国民をどう喝してのことです。

圧倒的多数が反対

 消費税大増税も原発再稼働も、世論調査では圧倒的国民が反対しています。首相自身、この二つに環太平洋連携協定(TPP)を加えて、「国論を二分する話ばかりだ。二分どころか、むしろ反対する方が多いことばっかりだ」(5日)と認めています。

 それにもかかわらず、首相は「二分している問題にしっかりと責任をもって結論を出す」(10日)と正当化します。それこそ、「決められる政治」だというのです。

 「国論二分」というなら、それにふさわしい国民的討論を尽くしたのか、批判にきちんと答えられたのか。いずれもノーです。いま増税を強行すれば、国民の暮らしを壊し、経済も財政もだめにするとの批判に首相はまともに答えられません。国民的討論どころか、自民党や公明党など増税勢力とだけの「修正」協議を指示しただけ。国会では中央公聴会で消費税増税への批判が噴出している最中でした。国民の意見を封殺し、ホテルにこもっての密室談合に正当性はありません。

 しかも、10%増税だけは決めて、低所得者対策や増税分を価格に転嫁できない中小企業対策は先送りです。そのうえ、社会保障では自公政権時代の切り捨て路線に逆戻りする「社会保障制度改革推進法案」を合意。医療や介護の範囲を狭めること、財源は消費税とし増税と連動させることなど、今後の社会保障改悪の路線さえ敷いています。

閉そく打開の道を

 「決められる政治」などといって決めているのは、国民の反対や拒否が強い、まさに民意に背く政策なのです。「二大政党」づくりも「決められる政治」も、国民を踏みつけにする政治を、財界いいなり、アメリカいいなりでおしつけるための仕掛けです。思考停止した巨大メディアが「決められる政治」をあおっているのも同様です。

 いま必要なのは、民意に背きつづける「二大政党」政治を根本から転換し、消費税増税に頼らない道、軍事同盟をなくす道を真剣に模索することです。深まるばかりの政治不信、閉塞(へいそく)感を打開するためには、この道しかありません。


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