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2012年6月15日(金)

きょうの潮流

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 あれから1週間もたっていません。防衛省が発表したのでした。アメリカ政府は「新型輸送機オスプレイの安全性になんら問題はない」といっている、と▼しかし、オスプレイはまたも墜落しました。米空軍のフロリダでの訓練中でした。試作のころから数え、分かっているだけで9回目の墜落です。8回目までに36人の命が失われ、「夫を亡くした女性製造機」の別名がつきます▼「安全」と胸をはるアメリカも、4月にモロッコで墜落した事故の調べがついていません。そこへ新たな事故です。沖縄に配備する計画など、やめて当たり前でしょう。もともと、エンジンが止まったとき安全に着陸できる備えのない、しくみそのものに欠陥がある軍用機ですから▼危険に目をつぶるオスプレイの配備は、原発の再稼働と相似形にみえます。大飯原発は安全と確かめられたといいますが、福島の事故がどのように起こったかさえ解き明かされていません。オスプレイ同様、調べの道半ばです▼しくみそのものの欠陥は、福島の事故での東京電力のいいわけからもうかがえます。たとえば、“非常用の冷やす装置がどんな具合に働いているかの判断を誤り、炉心の冷却を遅らせた”と批判され、東電は反論します。“事故中にはっきりと判断して対応するのは現実的にむずかしい”▼なんだ、事故が起こればお手上げとみずから認めるような話ではないか。調べれば調べるほど、原発という巨大装置の欠陥が分かってきます。再稼働とは、よくもまあ。


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