2012年6月15日(金)
大飯再稼働 安全対策手つかず
県議会全員協 共産党県議が反対
自公民は容認
|
関西電力大飯原発(福井県おおい町)3、4号機の再稼働をめぐって福井県議会は14日午前、各会派が意見表明する全員協議会を開きました。西川一誠知事が「議会の意見を聞いて最終的な判断をする」と開会を求めたもの。日本共産党の佐藤正雄県議、無所属の細川かをり県議が再稼働に反対を表明。自民、公明、民主、希望ふくいの4会派は「今後も国策に協力することが福井県の責務。原発は堅持すべきだ」(自民)などと、再稼働を容認しました。
西川知事は4会派の容認に加え、同日午後、おおい町の時岡忍町長から容認の表明を受け、16日に上京、政府に再稼働同意を伝える見通しです。
全員協議会では、佐藤県議が、「原発から撤退する政治をすすめないと国と民族がほろびかねない」と主張。東京電力福島第1原発の事故原因を調査できていないとして、「大飯原発の対策もこれで大丈夫とは言えない」と指摘し、安全対策はできているとする知事の見解を批判しました。
また、関電が実施するとしている安全対策でも、防波堤のかさ上げや、放射性物質の放出を減らすベントフィルターの設置、非常時の拠点となる免震事務棟の整備などが「手つかず」だと告発。住民の避難計画すら決まっていないと指摘しました。
西川知事は、「政策には時間軸がある。住民をないがしろにしてはいけないが、現実的な対応が必要」と述べ、安全対策や避難計画が整わないままの見切り発車を正当化しました。