2012年6月14日(木)
ツタヤに図書館委託計画
個人情報もれの恐れ
佐賀・武雄
共産党撤回要求
佐賀県武雄市の樋渡啓祐市長が全国でCDやDVDレンタル店「TSUTAYA(ツタヤ)」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(大阪=CCC)を指定管理者として来年4月から市立図書館の運営を民間委託する計画を発表して波紋を広げています。日本共産党の平野邦夫、江原一雄の両市議は13日、市議会一般質問で「図書館の委託はなじまない」と撤回を求めました。
樋渡市長は「より図書館の市民価値を高める」として、5月4日、「ツタヤ」への委託を市民にも市議会にもはからず発表。計画では開館は年中無休で、開館時間も現行より4時間増やし展示冊数を倍増するほか、雑誌販売やカフェを新設。利用カードはCCCの「Tカード」に切り替えるなどとしています。
ツタヤへの図書館運営委託をめぐっては、社団法人日本図書館協会が貸出履歴の個人情報が運営会社に提供される可能性があるとして、「利用者の秘密を守ることを約束している公共図書館の立場からは肯定しがたい」との見解を出しています。
平野議員は「図書館の大多数が指定管理者制度となっていない。『Tカード』の参入で個人情報の利用履歴が分かり、プライバシーが侵害される」との問題点を指摘。「築10年にすぎない図書館を、委託のために現行図書費の15年分にあたる約2億5000万円をかけ改修しようとしている」と批判しました。
樋渡市長は「履歴についてTカードは本人の同意を得て発行する。改修について10年もたてばいろんなガタがきています」と強弁しました。
江原議員は、市長の行った計画発表の会見について、「議会も市民も知らされないもとで行われた」と強調。市長が「情報漏れを防ぐため」とのべたため、江原議員は「情報は市民に秘密なのか」と独善的な態度を批判しました。