2012年6月12日(火)
日系ブラジル人青年 苦境知って
担当相に要請 塩川議員と映画監督同席
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出稼ぎの親とともに訪日した日系ブラジル人青年の置かれた苦境を知ってもらいたいと、日系3世の代表が11日、中川正春共生社会政策担当相に「日系第2世代の意見を直接聞く機会を設けて」と要請しました。
申し入れには日本共産党の塩川鉄也衆院議員や、日系ブラジル人青年の問題を取り上げた映画「孤独なツバメたち」(上映中)の津村公博(浜松学院大教授=50)、中村真夕(39)両監督が同席しました。
静岡県浜松市で在留外国人と地域との交流活動を続けているマイノリティー・ユース・ジャパン代表のパブロ・ナダヨシ・ロリンさん(23)は「なかなか日本社会に入っていけないのが現状。もっと入っていける支援を」と訴えました。津村さんは、日本で生まれ育った2世代目の青年らは親の経済的な困窮を理由に十分な教育が受けられず、不安定な雇用や地域から孤立された状態におかれていると指摘しました。
中川担当相は「マイノリティーといわれる人たちが自ら立ち上がり、主張するのはとても大事です」と応じました。塩川氏が「政府に当事者の声を聞く場をつくってほしいというのが願いです」と促すと、中川氏は「そういう場があったらいい」と答えました。
日系出稼ぎブラジル人 1990年の入管難民法の改定により、日系ブラジル人の出稼ぎが増加し、07年には30万人を超えました。08年のリーマン・ショック後、相次ぐ解雇により帰国を余儀なくされる親が増える一方、日本で生まれ育った2世代目には日本にとどまる選択をした人が多くいます。