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2012年6月10日(日)

語ろう 共産党「提言」

消費税に頼らない道あります

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 「消費税に頼らない別の道があります」―日本共産党は、党「提言」のダイジェストパンフやプラスターを活用した宣伝・対話に全力をあげています。わかりやすいと好評なグラフをもとに宣伝ポイントを紹介します。


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景気悪化を招く

 消費税を増税するとかえって税収は減ります。

 実際、消費税を5%に増税する前の年の96年度と、直近の2010年度の国と地方あわせた税収を比較すると、確かに消費税収は7・6兆円から12・7兆円に増加しています。しかし、税収の総額は90・3兆円から76・2兆円に14兆円も減りました。

 こんなことになるのは、消費税増税が景気を冷え込ませるからです。消費税収が増えたとしても、それ以上に法人税収や所得税収が減少してしまうのです。

 経済産業省が昨年公募した2012年度「税制改正要望」で、日本チェーンストア協会は消費税増税について「企業の成長を阻害し、低迷する景気の回復を閉ざしてしまいかねない」としています。

 現在、民間給与は1997年にくらべ、年額55万円も下がっています。こうしたもとで、消費税を増税すれば、消費を冷え込ませ、日本経済全体がさらに悪化することは間違いありません。その結果、税収減となり、財政赤字は悪化します。消費税増税は経済も財政も破綻させる道です。


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本来の税負担は

 現在、日本の国家財政はその半分を借金(国債)でまかなっています。国の予算のうち税収が半分もいかない状態をいつまでも続けられるものではありません。増税は必要ですが、それを「消費税でとらなければならない」理由はありません。

 年間所得が1億円を超える高所得者は、所得が増えれば増えるほど所得に対する税負担割合が減る傾向があります。最大の要因は証券優遇税制です。高額所得者ほど給与所得より株の売買や配当による所得が増えるからです。

 配当や株を売ったときの利益にかかる税は本来の税率が20%のところを、現在10%に半減されています。この優遇税制によって、03年から11年までに推計6兆379億円が減税されました。

 イタリアのフェラーリ社の会長も「負担増は最富裕層に求めることから始めるべき。中間層に求めるのは恥ずべきこと」といっています。富裕層に応分の負担を求めることこそ世界の流れです。


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力ある大企業が

 政府は消費税を10%に引き上げる一方、大企業の法人税(国税)は2015年に30%から25・5%に引き下げます。本来、税は所得や利益に着目し、負担する力に応じて課税するものです。しかし現実には、企業規模が大きくなればなるほど税の負担率が軽くなっています。

 大企業の税負担が軽くなるのは、大企業にしか使えない「減税メニュー」があるからです。大企業は株式配当や海外子会社の納税控除、連結納税などさまざまな優遇を受け、法人税は基本税率より低くなっているのが現状です。たとえば03年〜10年度の平均で経団連会長の米倉弘昌氏が会長を務める住友化学は純利益に対して17・2%しか法人税を負担していません。三菱商事にいたってはわずか12・1%です。

 これらの制度は中小企業も利用可能ですが、大企業であれば規模の大きさに加えてもともとの納税額が大きいために、効果がより大きく表れます。資本金10億円以上の大企業の負担率は19・6%で、1000万円以下の企業の負担率23・0%よりも3ポイント以上少ないのです。こうした大企業優遇税制の見直しをおこなえば、1・3兆〜1・6兆円の税収増が見込めます。

 しかも大企業は賃金の抑制、下請け単価たたきで260兆円の内部留保をため込んでいます。白川方(まさ)明(あき)日銀総裁も「大企業は資金は潤沢。問題は資金を使う場所がないこと」と認めるほどです。力のある大企業に税の分野で応分の負担を求めるとともに、内部留保を雇用や下請け単価などの形で国民に還元することで、財政も経済も立て直すことができます。


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