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2012年6月9日(土)

首相「大飯は再稼働」

「安全神話」・脅しで 国民に押しつけ

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 国民の多数が反対・慎重意見を示していた大飯(おおい)原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働について、野田佳彦首相は8日、仕事や雇用などを例に二重三重に脅しながら、「国民生活を守る」ためだとして「再起動すべきだというのが私の判断だ」と表明しました。首相として再稼働実施の最終判断を示したもの。電力業界・財界の利益をあくまで優先し、再稼働に突き進む異常な姿勢を明確にしました。


 野田首相は会見で、「福島のような事故は決して起こさない」としながら、事故原因も究明されていないこと、政府の30項目の再稼働「安全対策」も計画だけでいいことには触れず、「もし福島を襲ったような地震と津波がおこって、万が一、全ての電源が失われるような事態でも炉心損傷は起こらない」と、新たな「安全神話」をふりまきました。

 また、「安全基準に絶対というものはない」としつつ、新たな規制機関の発足で安全規制を見直すまでの間、「特別な監視体制を構築する」として「暫定的な安全基準」を合理化しました。

 さらに、「計画停電、電力料金の大幅な高騰など国民の日常生活への悪影響を避ける」などとして、再稼働を正当化。突発的停電による「命の危険」や仕事、雇用への影響まで列挙して、経済活動は混乱すると強調し、「関西での15%の需給ギャップは、現実的には極めて厳しいハードルだ」と、幾重にも国民に対する恫喝(どうかつ)で押し切る姿勢を示しました。

 「夏場限定の再稼働では国民の生活は守れない」とのべるとともに、原発を「エネルギー安全保障という視点からも重要な電源」と、今後も原発に依存する姿勢を示しました。

 首相は、立地自治体の「理解」を得たうえで再稼働のプロセスに踏み切ると表明し、福井県側が了承しだい稼働させる方針です。大飯原発以外の原発再稼働についても「個別に判断していく」と推進する姿勢を示しました。


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