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2012年6月8日(金)

主張

社会保障と財政

消費税に頼らない道がある

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 21日に迫った国会会期末までの消費税増税法案の衆院採決に向け、民主、自民、公明の3党が「修正」協議という名の「増税談合」を始めています。

 国会では増税「賛成」派が多数を占めているように見えても、国民は「反対」が多数です。「朝日」6日付では増税法案に「反対」の人が前月より5%増えて56%、「賛成」は7%減って32%です。「毎日」4日付でも「反対」57%、「賛成」36%となっています。

 国民の中では少数の増税「賛成」の政党が陰で談合し、増税を押し付けるやり方は許せません。

世論が動いている

 世論調査の問いには「社会保障の財源にあてるために、消費税を…引き上げる法案」(「朝日」)などと政府の口実がそのまま書き込まれています。世論誘導のような調査にもかかわらず、多数の人が「反対」と答えていることにいっそうの重みがあります。

 「社会保障のため」という政府の説明は破たんしています。国会の日本共産党議員の追及に、消費税5%増税の13・5兆円のうち半分以上は社会保障以外に回ることを政府も認めました。政府の説明でも社会保障「充実」に回るのはわずか1%分です。それも年金削減や医療、介護の保険料値上げなどの負担増でふきとびます。

 「社会保障のため」というのは消費税増税を国民に押し付けるための口実にすぎないことをもっと多くの国民が知れば、「反対」の声はさらに強まります。

 「毎日」調査は「消費税率を引き上げなくても、今の社会保障制度を維持することが可能だと思いますか」という問いを設けています。消費税増税以外の選択肢を示さないかたよった設問で、「思わない」と答えた人は56%にのぼりました。しかし、「可能だと思う」と答えた人も38%ありました。

 注目したいのは、同じ問いをした今年1月の調査と比べると「思わない」と答えた人が12%減り、「可能だと思う」と答えた人が10%も増えていることです。消費税増税に頼らなくても社会保障を維持できると答えた人が大きく増えています。

 日本共産党が2月に発表した「社会保障充実、財政危機打開の提言」は、消費税を増税せずに社会保障を充実させる道があることを示しました。大切なのは政党助成金や米軍「思いやり予算」などむだづかいを一掃し、税制や経済のあり方を財界・大企業ではなく国民の目線から抜本的に見直すことです。

 「提言」の柱の一つは大企業や大資産家へのゆきすぎた減税をやめて不公平を改め、将来は所得税の累進制を強めて所得に応じた負担で社会保障を充実させることです。もう一つは、それと同時に雇用や中小企業にしわよせする大企業の利益第一のやり方を規制し、巨額の内部留保を日本経済に還流させる改革を実行することです。この経済改革によって、国民の所得を増やすとともに、健全な経済成長で持続的に税収を伸ばしていく展望がひらけます。

暴走を押し返そう

 暮らしと経済を直撃する消費税増税は税収を減らして財政も共倒れにする最悪の道です。

 消費税に頼らなくても財源を生みだせる展望をさらに広く国民に知らせ、圧倒的な世論で増税への暴走を押し返しましょう。


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