2012年6月8日(金)
生活保護は権利
高橋議員「扶養調査で追い詰めるな」
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日本共産党の高橋ちづ子議員は7日の衆院社会保障・税特別委員会で、芸能人の母親のケースに乗じて攻撃が相次いでいる生活保護問題を取り上げ、生活保護は憲法に保障された国民の権利であり、「必要な人が受けられないことはあってはならない」と主張しました。
高橋氏は、芸能人の事例は不正受給ではないと指摘するとともに、扶養義務を強化する動きに対して、生活困窮者が「迷惑をかけてきた親きょうだいらに扶養調査までされるなら申請したくない」と追い詰められていることを紹介。これまで北九州市や札幌市などで「扶養義務」を口実に生活保護が拒否され、餓死事件が相次いできたことをあげ、「DV(家庭内暴力)や虐待で夫婦や親子の縁を切った人にまで扶養を迫るのか」と追及しました。
小宮山洋子厚労相は「扶養義務者からの扶養がなくても、保護を受けることはできる」と認め、「本当に必要な人にはしっかり受給してもらう」と答弁。一方で「扶養義務者に対して扶養できない旨の説明責任を求める仕組みを検討する」と述べました。高橋氏は「ローンや教育費に追われる子どもとその家族を貧困に追い込んだり、扶養を頼めないために申請をあきらめることがあってはならない」と強調しました。
高橋氏は、生活保護基準の引き下げを求める動きを取り上げ、引き下げは受給世帯の生活を困難にするだけでなく、▽住民税などの非課税基準の引き下げ▽市町村ごとの保育料や減免制度の切り下げ▽最低賃金の引き下げ―など国民全体に波及し、「負のスパイラル」を招くと批判しました。
高橋氏が「最低賃金を時給1000円に引き上げ、保護がなくても人間らしく暮らせる賃金にすれば、内需が拡大し生活保護費も減る」と求めると、小宮山厚労相は「平均1000円の目標を掲げて取り組む」と表明しました。 (論戦ハイライト)