2012年6月7日(木)
軍事条約廃棄通告へ
中南米4カ国 「合法性・効力ない」
【ラパス=島田峰隆】南米エクアドルのパティニョ外相は5日、中南米8カ国でつくる米州ボリバル同盟(ALBA)のうち同国を含む4カ国が軍事同盟である米州相互援助条約(リオ条約)の廃棄通告を行うとする声明を発表しました。ボリビア中部コチャバンバ郊外で開催中の米州機構(OAS)総会での会見で明らかにしました。
声明は、「リオ条約は米州大陸の集団的自衛権のメカニズムとして創設された」と指摘。それにもかかわらず、フォークランド諸島(スペイン語名マルビナス諸島)の領有権をめぐってアルゼンチンと英国が争った1982年の紛争の時には集団的自衛権が行使されず、「役に立たなかった」と述べました。
リオ条約は「合法性と効力を失っている」と述べ、同条約第25条に基づいて、ボリビア、ベネズエラ、ニカラグア、エクアドルが「正式な廃棄通告を行う」としました。
同条約は、2004年にメキシコが脱退し、すでに機能不全に陥っています。