2012年6月6日(水)
薬害イレッサ責任明確に
西日本訴訟 原告団ら上告
肺がん治療薬「イレッサ」による重い副作用で亡くなった遺族と患者が国と販売元のアストラゼネカ社に損害賠償を求めた「薬害イレッサ西日本訴訟」の原告と弁護団は5日、大阪高裁判決を不服として最高裁に上告。記者会見を開きました。
大阪高裁は5月25日の控訴審で、原告の請求をすべて棄却する不当判決を言い渡しました。
同弁護団長の中島晃弁護士は「高裁の判決に抗議の意味を込めて上告した」と報告しました。「判決は、薬と副作用の因果関係が確実でなければ安全対策の必要がないといいます。多くの薬害事件の積み重ねで生まれた予防原則を全て否定します。国民の命を守るために、どこに責任があるのか明確にするためたたかいたい」と、述べました。
同訴訟の匿名原告は、副作用の間質性肺炎で父親を亡くしました。「裁判で8年間たたかい、全てを否定されて残念です。最高裁でもう一度、答えを見つけるために上告しました」と語りました。