2012年6月6日(水)
福島第1 敷地境界で年956ミリシーベルト
吉井議員 「再稼働は現実無視」
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日本共産党の吉井英勝議員は5日の衆院環境委員会で、東電福島第1原発事故後に発電所の敷地境界付近で観測された年間累積放射線量が基準値を大幅に超えていることを取り上げ、事故の現実を無視した原発再稼働は許されないと主張しました。
福島第1原発の事故後、原発敷地内の放射線量基準は改定され、現在は年間100ミリシーベルトとされています。
吉井氏の質問に経産省原子力安全・保安院は、同原発の敷地境界での年間積算線量(昨年4月1日からの1年間。昨年3月分はデータ欠落)が最大956ミリシーベルトに達したことを明らかにしました。
吉井氏は、福島第1原発事故で実際に大気中に放出された放射性物質の量は、政府が再稼働を狙う大飯原発の立地のさいに関西電力が設置許可申請書で掲げた重大事故時の大気放出量を3〜4けたも上回る量だったと指摘しました。(別表参照)
その上で、「バックフィット制度」(最新の技術や知見を反映させるよう事業者に義務づける制度)が盛り込まれた政府提出の原子炉等規制法改定案に照らしても、福島第1原発事故を受けて基準や想定が見直されていない大飯原発は再稼働の条件に達していないと強調。「それでも再稼働を決めるのかが問われている」とただしました。
細野豪志原発事故担当相は、「いまバックフィット制度が法律にもとづいてできているわけではない」と言い訳。指摘については「専門家の意見も聞きながら検討させてもらいたい」と答弁しました。
吉井氏は、「(再稼働の)暫定基準も法律にはないのに、これだけは前倒ししてなにがなんでも再稼働というのは論外だ」と批判しました。
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