2012年6月2日(土)
労働基本権回復こそ
国家公務員採用削減を批判
塩川氏
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日本共産党の塩川鉄也議員は1日の衆院本会議で国家公務員制度関連法案について質疑にたち、「今求められているのは、憲法で保障されている基本的人権としての労働基本権の回復をはかることだ」と主張しました。
塩川氏は、法案が争議権を制約したまま協約締結権を付与することについて「対等な交渉とならない」と強調。ILO(国際労働機関)が求めてきた消防や刑務所職員などへの団結権付与もなく、警察や海上保安庁などの職員も含めて、人事院勧告廃止で使用者が一方的に労働条件を決定することになると指摘しました。
塩川氏は「公務員が全体の奉仕者の役割を果たすためには労働条件の改善が欠かせない」と強調。消費税増税押し付けのため「身を切る」と称して給与削減や新規採用の削減を強行していることは、国民への行政サービスを低下させることになると批判しました。
新たに設置する人事公正委員会は、人事院よりも独立性を後退させると批判。人事院廃止で試験・研修・任免を公務員庁に移管することについては「政府の意向によって左右されてはならない。第三者機関の事務とすべきだ」と主張しました。
塩川氏は、経産省から東電に対し5代連続50年間続いた天下りの実態を示し、政官業の癒着構造が日本のエネルギー政策をゆがめてきたと強調。天下りのあっせんだけではなく、天下りそのものを禁止するよう求めました。
野田佳彦首相は争議権の付与については「今後検討する」、天下りについては「あっせんを禁止する現行規制を厳格に運用していく」と述べ、天下り禁止に背を向けました。