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2012年6月1日(金)

消費税増税PR

財務省、大学で押しかけ講義

4・5月 10校で12回

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 政府がねらう消費税の大増税に向け、財務省の幹部職員が各地の大学で「説明会」を行い、正規の講義の時間を使って、消費税増税の必要性を訴える一方的な宣伝を行っていることが31日、わかりました。大学での説明会は4、5月で10大学計12回にのぼっています。財務省が大学にもちかけたもので、税金を使った広報活動の一環と認めています。(竹腰将弘) (関連記事)


写真

(写真)財務省幹部が消費税増税PRで訪れた大阪大学の「公開講座」のポスター

 「説明会」が行われたのは、国立大学6校、公立大学2校、私立大学2校(表参照)。このうち、お茶の水女子大学では2週連続で大学院のゼミ、3年生向けの「労働経済学総論」の講義の計2回、和歌山大学では2日続きで経済学部と観光学部それぞれの1コマ90分の授業時間すべてを使っていました。

 講師として派遣されたのは大臣官房参事官、主税局調査課長などの幹部職員。これらの職員がインターネット上に公表した報告によると、佐賀大学で約150人の1年生に向けた説明では「将来を担う若者にこれ以上負担を先送りしないための改革である」と強調。福井大学では「(『一体改革』には)低所得者対策や税制全体の見直しも含んでいる」とするなど、消費税大増税を不可欠とPRしています。

 一方、参加した学生からは「アルバイトをしながら生活しているなか消費税の引き上げは厳しい」(常磐大学)、「税率の引き上げにより所得の低い方が影響を受けることになる」(お茶の水女子大学)、「税率引き上げが消費に与える影響をどう考えるのか」(香川大学)など、財務省の思惑に反して、消費税増税に批判的な意見も根強く出されています。

国民の声をふみにじる

 消費税をなくす全国の会・牧野由子事務局長の話 消費税増税には国民の6割が反対し、まだ決まってもいません。国会の行方も混とんとしている。そういうときに、財務省の幹部職員が大学で一方的な説明をするなんて非常識です。野田政権のあせりのあらわれでもあるでしょう。多くの学生は、高すぎる学費、アルバイト生活に追われ「このうえ、消費税増税はたまらない」という声をあげています。この国民の声を踏みにじる行為に怒りを禁じえません。


広報活動の一環

 財務省大臣官房の話 財務省から各大学当局に開催を働きかけ、協力を得られたところで「説明会」を開いている。政府の広報活動の一環であり、講師には職員旅費を支給している。通常の政府の広報活動であり、国家公務員の政治的中立や大学の自治に照らしても問題はない。

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