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2012年5月31日(木)

増税「違いは時間軸」のみ

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 物別れに終わった野田佳彦首相と小沢一郎民主党元代表の会談。野田首相は改めて消費税増税は「待ったなしの立場だ」と述べ、今国会での成立をアピールする場となりました。

 一方、小沢氏側も会談後、記者団に「大きな税負担をさせる前に政権としてやることがある」と語ったように、消費税増税そのものに反対する立場にはありません。野田首相も小沢氏が「消費税引き上げ自体には反対ではない」と述べたとし、「違いは時間軸」(首相)だけだということも浮き彫りになりました。

 しかも、小沢氏の拒否の理由は、衆院の比例定数80削減や公務員の総人件費の2割削減をはじめとする行財政「改革」や「地域主権改革」が進んでいないこと。悪政を推進するという点では双方に大差はありません。

 増税勢力のかけ引きの一方で、6月上旬にも狙っている衆院での採決時期をめぐり、緊迫した状況が続くことになります。

 ある政府関係者は「野田首相は自民党と話している。小沢との話し合いはセレモニー(儀式)だ」と指摘。「財務省が仕掛けている」と、背後には財務省による橋渡しがあるとの見方を示します。

 自民党はどうか。同党は衆院で法案の「早期採決」を主張し、社会保障制度改革国民会議(仮称)を設置して社会保障制度「改革」を先送りし、増税先行という「助け舟」を提示しています。その中心は、伊吹文明元財務相や財務省出身の野田毅党税調会長らです。

 しかし、同党内では、「党内論議もないままどんどん話が進んでいる。こんな形で増税に協力したら、自民党もお先棒を担ぐだけと言われる。『増税してから解散しろ』というのも理解されない」(中堅議員)との不満も積もっています。

 野田政権は、小沢グループがそろって造反すれば、自民党が協力しない限り増税法案の衆院通過も怪しくなります。一方、民主党内には「採決に突入すれば、話し合いも何も混乱して結局、選挙になる」と語る議員もいるなど、ジレンマも抱えています。

 こうした動きの根底には、経済も国民の暮らしも財政も破壊する消費税増税に反対する国民世論の圧力があります。それだけに、消費税増税反対の運動をどれだけ広げ、増税推進勢力への圧力を強めるかがカギを握っています。(中祖寅一)


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