2012年5月29日(火)
和解手続き体制強めて
B型肝炎訴訟 原告らが要望
東京地裁
全国で約3800人を超える患者・遺族が提訴しているB型肝炎訴訟は28日、東京地裁で原告の意見陳述が行われました。
100人を超える原告、家族が傍聴に詰めかけ、裁判所が追加の椅子を出しても入りきれない状況に。増え続ける原告と和解の遅れを印象付けました。
原告の1人が18年前に亡くなった父親にかわって提訴した思いを陳述。「感染をおそれて生活した父。父と家族が苦しんだ原因をはっきりさせたい」と訴えました。
東京では原告692人(患者数)のうち、これまでに和解に至ったのはわずか65人です。この数カ月間は毎月約100人が新たに提訴しており、国は和解のための人的体制を強化しましたが、まだまだ不十分です。
裁判で原告団の柳沢尚武弁護士は、和解を迅速にすすめるための人的・物的体制の拡充と和解手続きの簡略化を強く求めました。
裁判後の報告集会では、和解にいたった原告が、訴訟を切り開いてきた原告団と弁護団に感謝の思いをのべるとともに、病気とのたたかいの決意を語り、「これからは提訴できない人たちの力になりたい」と話しました。
東京原告団代表の岡田京子さん(仮名)は「被害者が大勢いて、原告が増えることは国もわかっていたはず。なのに和解の体制が整っていない。私たちが勇気を出してアピールしていくことがこれからも必要です」と話しました。