2012年5月28日(月)
米中は対決ではなく協力を
国際交流会議でアジア各国首脳ら
アジア各国政府の首脳や有識者らが集う第18回国際交流会議(日本経済新聞社主催)が24、25日に都内で開かれました。米国の「アジア回帰」をめぐって、米中が軍事力による対決ではなく協力し合う必要性を訴える発言が目立ちました。
マレーシアのマハティール元首相は、米国の「アジア回帰」について、「米国が強い軍事力として戻ってきて、アジアを分断し、敵か友かと分けるということはあってはならず、歓迎すべきではない」と指摘しました。
マハティール氏は「米国が中国に対抗することになれば、アジアを分断し、中国との軍拡競争で緊張が起こり、いずれは戦闘になる可能性がある。これは正しくない」と警告。米国は、アジアを理解し、アジアの潜在力に注目し、アジアの成長に貢献してほしいと注文しました。
また中国について、「中国は自分が作った製品のための大きな市場を必要としている。戦争すると自分が狙っている市場を壊すことになってしまう」として、中国が戦争を起こすことはないと指摘。「世界各地で成長があるように促し、そのために平和を実現することのほうが中国の利益にかなう。中国はそういう行動をとるだろう」と述べました。
シンガポールのリー・クアンユー元首相は、米中関係について、「中国は米国と敵対することはできない」と強調。中国は技術や投資を米国から受けることが必要であり、「(米中は)経済面で相互依存を強くもち、対立する余地はない」と述べました。
中国の王逸舟・北京大学国際関係学院副院長は今後の米中関係について、「中国の台頭は米国を追い出すものではない。中国と米国が対話を通して2国間の関係、アジア太平洋の創造的な繁栄をもたらすことができる」「協力の関係は双方にとってもアジアにとってもいいことだ」と述べました。