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2012年5月24日(木)

転嫁できない消費税

根本的欠陥あらわ

塩川議員が追及

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 23日の衆院社会保障・税特別委員会で中小企業の消費税転嫁問題を取り上げた日本共産党の塩川鉄也議員。消費税の根本的欠陥があらわになりました。


写真

(写真)質問する塩川鉄也議員=23日、衆院社会保障・税特別委

 消費税の納税義務者は事業者であり、転嫁できなくなれば自らの利益を削って納税するしかありません。

 塩川氏が、規模の小さい事業者ほど転嫁できないという全国商工会連合会などの調査を示すと、野田首相は「実態としてはある」と認めざるをえませんでした。

 価格転嫁については、不況下で小売業者が消費者に転嫁できない場合と、弱い立場の下請け業者が親会社に要求できない場合があります。塩川氏は、消費税率を5%に上げた1997年でも勤労者の可処分所得や消費支出は上昇傾向だったのに、転嫁できない小売業者が多数だったと指摘。その後、可処分所得も消費支出も減り続けているではないかと迫りました。

所得が減少

 塩川 消費税を価格に転嫁したら消費者が逃げてしまう。

 安住淳財務相 例えばヒット品目は売れる(他党議員から失笑)。

 塩川 国民の所得が減少しているときに転嫁できないことは明らかだ。

 次に、元請けと下請けの問題を取り上げた塩川氏は、親会社から発注を継続してもらうために価格転嫁を求めることは不可能なのが実態だと強調。ほかの税金に比べて消費税の滞納が増加している実態(グラフ)を示して迫りました。

 塩川 転嫁できていないのに払えといわれたら誰が負担するのか。

 財務相 事業者に納めてもらうことになる。

 塩川 事業者が自腹を切ることになる。

 政府も全国商工会連合会が主張するとおり転嫁できない分を自ら利益を削って納税することになることを認めざるをえませんでした。

 塩川氏は、民主党の聞き取り調査で全国建設労働組合総連合が「事業者自身の負担で納税せざるをえない」ことは「消費税制度が抱える根本的な問題」と述べたと紹介しました。

 野田首相は「転嫁できるかという課題がある」などと人ごとのような答弁。塩川氏は「下請け事業者に対する値引き強要が常態化し、実態上転嫁ができないという問題だ。事の本質がわかっていない」と批判。「消費税に根本的欠陥があるから価格転嫁問題は解消できない。消費税増税はやめるしかない」と強調しました。

 政府は「Gメンをふやす」(財務相)など対策を強めるというだけ。塩川氏は、消費税の根本的欠陥から転嫁問題は消費税導入後24年たっても解決されないと強調。政府の対策の一つとして、公正取引委員会の調査ではほぼ100%が転嫁「できている」としていることを示しました。

官と民の癒着

 塩川氏は「あまりにも実態とかけ離れている」と批判。「公取の調査は、親事業者が出した下請け企業のリストをもとにしたもので、下請け企業は正直に答えにくいもので限界がある」と強調しました。

 塩川氏は、下請けいじめを是正できない構造的問題として、公取から業界団体への天下りがあると強調。自動車工業会会長が会長を務める自動車公正取引協議会など三つの公益法人の専務理事に、5代続けて天下りしている実態を示しました。

 塩川氏が「公取のOBの老後を業界団体に保証してもらっている。その担い手はトヨタであり日産だ。大手メーカーに肩入れせざるをえない」と指摘すると、公取の竹島一彦委員長は「政府が決めたルールにもとづいてやっている」と正当化。塩川氏は「民主党は天下り禁止法案まで出していたのに、政権について天下りが行われている。官と民との癒着によって行政がゆがめられていることが問題だ」と批判しました。

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