2012年5月22日(火)
戦争も緊縮策もノー
NATOに抗議集会
シカゴ
【シカゴ=小林俊哉】北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開催されている米シカゴ市内で20日、アフガニスタン戦争に反対する数千人規模の集会が開かれました。参加者は集会後、市街をデモ行進し、戦争の早期終結を求めてNATOに抗議の意思を表明しました。
戦費を福祉・教育に回して
|
集会は「戦争に反対するイラク戦争退役軍人会」などが呼び掛けたもので、参加者は全米から集まりました。ベトナム戦争に従軍したミック・コールさん(ニューヨーク州在住)は「ソ連の崩壊後、NATOにはもう存在意義はないのに、いつまでも残して、戦争を繰り返している」と批判しました。
この集会の共通テーマの一つは「戦争にも財政緊縮にもノー」です。「戦争に反対し、戦費を福祉、教育などに回せということ。当たり前だけど、一番大事なことだ」(アリゾナ州から来たチャック・カウフマンさん)といいます。
市内グラント公園で開かれた集会には、反戦団体と同時に、経済格差に抗議してウォール街を批判した「オキュパイ(占拠)」運動に参加する団体や、より良い医療保険制度などを求める団体なども集まりました。
オハイオ州から来たアレックス・リードさんは「米国民にはNATOといっても、あまり知られていないと思う。国連の下部機関のように思っている人もいるかもしれない。こういう戦争マシンが国民の富を吸い取って、働く人のために使うお金がなくなるということを、多くの人に知らせたい」といいます。
市街デモの先頭には、イラク、アフガン戦争の退役軍人たちが制服姿で立ち、受けた勲章を米政府に返還すると強調しました。