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2012年5月16日(水)

津波で全電源喪失 認識

東電、福島事故の5年前

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 東京電力は15日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)が津波で全ての電源を失う可能性があることを、事故の5年前の2006年に承知していたと認めました。

 東電によると、経済産業省原子力安全・保安院と原子力安全基盤機構は、04年のスマトラ島沖地震で発生した津波でインドの原発が被害を受けたため、06年に津波で原発の敷地に海水が浸水することについて勉強会を始めました。東電など電力会社はオブザーバーとして参加していました。

 勉強会では、福島第1原発の場合、津波が敷地に浸水すれば建屋内に海水が入り、非常用ディーゼル発電機などが水没し、機能を失うとの議論が行われました。保安院は東電に対し、このことを上層部に伝えるよう指示していましたが、当時副社長で原子力・立地本部長だった武黒一郎氏まででとどまっていたといいます。国会事故調査委員会が14日におこなった事情聴取に対し、勝俣恒久会長は「知っていれば対策をとっていた」などと説明していました。

 福島第1原発では東日本大震災で津波が敷地内に浸水し、非常用ディーゼル発電機などが機能を失ったために原子炉を冷やせなくなって炉心が溶融、大量の放射性物質を放出する過酷事故に至ったことを東電自身が認めています。

 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は15日の記者会見で、「敷地内に浸水すれば建屋内に浸入し、電源が機能を喪失することは当然考えられる」と述べました。しかし、「津波については、土木学会の手法にのっとって対策をとっていた」として、浸水対策をとっていなくても問題はなかったとの認識を示しました。東電が昨年12月に公表した事故調査報告書には、今回の勉強会についての記述はありませんでした。

 日本共産党の国会議員団や福島県議団は福島第1原発が津波で大きな被害を受ける恐れがあるとして繰り返し対策を求めていました。


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