2012年5月13日(日)
きょうの潮流
東京の郊外、国分寺市の共産党市議・幸野おさむさんは、先ごろ、党支部の人たちと商店街を巡りました。消費税の増税をやめるよう求める署名簿を携えて▼軒並み、「増税は困る」の声が返ってきます。しかし、もし増税されてしまったら…。駅に近い商店街の店主たちは、おおむね、「やっぱり不況になる。しかし、なんとか値段に転嫁しなければ…」と考えていました▼幸野さんが「私もびっくりした」と語るのは、駅から離れた通りでの話です。ある、おそば屋さん。党支部の人が「カツ丼、ずっと前から800円ですね」と話しかけると、ご主人がいいました。「もし1割値上げすれば、お客はこない。店をやめます」▼増税分を転嫁すれば客がこない。転嫁しなければ損ばかり。だから店を閉じる。そば屋さんだけではありません。文房具店、酒屋さん…。「みんな、いまでは利益をあげるためというより、来てくれるお客さんのために開いているような店」(幸野さん)です▼「経済のグローバル化ですよ」と酒屋さん。「グローバル(地球規模)化」のかけ声のもと、酒を売る大型店がふえました。そこへ大増税。消費税の増税が、地域住民のためがんばってきた多くの店にとどめを刺そうとしています▼15年前の消費税増税も、不況を起こしました。いま、当時より「グローバル化」の影響ははるかに大きい。働く人の賃金も、「グローバル化」の名のもとに大幅に減らされました。なにか、社会の崩壊さえ予感させる増税案です。