2012年5月4日(金)
米中戦略対話始まる
人権活動家の処遇も議論へ
【北京=小寺松雄】第4回米中戦略・経済対話が3日から北京で2日間の日程で始まりました。
戦略分野(外交・安保)は戴秉国(たいへいこく)国務委員とクリントン国務長官、経済分野は王岐山副首相とガイトナー財務長官が共同議長として議論。両国から20以上の部局幹部が出席し、包括的な政策論議を進めます。
開幕式では胡錦濤中国国家主席があいさつ。人権問題も念頭に「国情が違う両国で、意見がすべて一致することはありえない」と指摘。そのうえで「意見の違いは対話と交流で処理していくべきであり、違いがあるからといって両国関係の大局に影響を与えてはならない」と訴えました。
今回の対話では、南シナ海など海洋問題、貿易不均衡、人民元相場をはじめ多面的な課題を討論します。
また、軟禁状態に置かれていた山東省から北京に入り、米国大使館に6日間滞在していた中国の人権活動家の弁護士・陳光誠氏の処遇についても論議する見込みです。開幕式でクリントン氏が「人権はどこの国も否定できない」と述べたのに対し、戴氏は「中国は発展途上国としての国情がある」と対応しました。
陳氏は2日に北京市内の病院に入院。同氏の意向については、当初は「中国にとどまると表明」とされていたものの、3日になって「米国への出国を希望」と発言したとされます。
中国外務省の劉為民報道官は3日の記者会見で、米国大使館の一連の行動について「陳氏への対応は不当な方法であり、中国の内政に干渉する米側の行動は絶対に受け入れない」と批判しました。