2012年5月3日(木)
関越道バス事故
防護柵と防音壁にすき間
古い基準のまま
群馬県藤岡市の関越自動車道で46人が死傷したツアーバス事故で、バスが衝突した防音壁と、手前のガードレール(防護柵)の設置の仕方が、古い基準のままになっていたことが1日分かりました。
国土交通省(旧建設省)は、ガードレールの設置基準を1998年と2004年の2回改正しています。
新しい基準は、ガードレールが異なる形状のものと隣接する場合、「原則として防護柵の車両を誘導する面を連続させるものとする」としています。
ところが、この「基準」は新設のガードレールから適用されたため、古いものは放置されたままでした。
事故現場は、ガードレールと防音壁が連続しておらず、10センチメートルのすき間があり、しかも、ガードレールが防音壁よりも外側にズレています。このため、ガードレールに「誘導」されると、防音壁に衝突する構図になります。事故を起こしたバスの左側がめちゃめちゃになり、死傷者が集中していることもうなずけます。
NEXCO東日本(東日本高速道路)関東支社は「事故現場のガードレールは機能を十分果たしていたと思う。古い設備は改良の必要性を判断しながら実施していきたい」としています。
同社は古い基準の箇所がどれぐらいあるか調査中です。
国交省は「古い基準のガードレールを一律に更新しなさいとは今の段階ではいえない」といいます。