2012年5月1日(火)
きょうの潮流
大型連休の最中に、東京ディズニーランドへ向かった一行。その楽しげな雰囲気が一瞬にして暗転しました。高速道路の防音壁に突き刺さるように大破したバス。運転手は「居眠りをした」と口にしています▼事故のくわしい解明はこれからですが、過重労働をあげる関係者は多い。運転者は2日間で1000キロ以上を運行する勤務だったといいます。背景には格安バスツアーの過当な競争が垣間見えます▼運賃を抑えて、なお利益を出すために人件費を削りこむ。「運転手の働き方は非常にきびしく、職種別にみた過労死の発生件数は最も多い」。本紙で専門家が指摘するように、同業の運転手たちは「自分もひやっとしたことが何度かある」▼彼らにとって労働は果てしない苦役でしかないのでしょう。しかし、長時間労働やサービス残業など、ルールなき資本主義の日本にあって彼らだけが特別ではありません。どの分野にあっても過酷な労働が身に染みる日々…▼「労働日を肉体的に可能な最大限の長さまでひきのばそうとすること、これが資本の不断の傾向である」。2世紀も前に生きたマルクスの慧眼(けいがん)が光ります。「時間は人間の発達の場」であり、それを奪われた人間は、体は壊され、心はけだもののようになる、とも▼きょうは労働者が団結し要求するメーデー。日本を破滅へといざなう野田政権や財界とたたかう総決起の場でもあります。悲惨な事件事故を教訓に、未来が展望できる社会に変えていくためにも、連帯の声をあげたい。