2012年4月28日(土)
米軍再編 日米発表
辺野古前提 他の選択も
普天間基地補修費 日本が負担
日米両政府は27日、在日米軍再編計画見直しの「共同発表」を公表しました。この中で、米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「移設」先として、キャンプ・シュワブ(同県名護市辺野古)沿岸部に固執しつつ、それ以外の選択肢も視野に入れた文言が盛り込まれました。玄葉光一郎外相は同日の記者会見で、「(辺野古以外の)検討を今後も行わないというものではない」と明言しました。
「共同発表」では、辺野古「移設」について、「これまでに特定された唯一の有効な解決策」と記しました。同時に、「運用上有効であり、政治的に実現可能であり、財政的に負担可能であって、戦略的に妥当であるとの基準を満たす方法」での普天間「移設」方法を検討するとしています。
「共同発表」は当初、25日午後(日本時間)に公表される予定でしたが、その直前に米上院軍事委員会のレビン委員長らが、昨年5月に提案した普天間基地の米空軍嘉手納基地(嘉手納町など)への統合案を検討していないことを理由に、日米合意に反対する書簡を提出。これに配慮して公表が延期されていました。
レビン氏らは26日、「共同発表」の文言が修正されたことを「評価する」との談話を発表しています。
「共同発表」ではさらに、普天間基地の補修費を、米軍「思いやり予算」などで日本側が負担し、年内に費目を決定することも明記。普天間「移設」を核としてきた米軍再編計画のなかに、「固定化」につながる費用負担が盛り込まれたのは重大です。
「共同発表」ではこれ以外に、(1)在沖縄海兵隊9000人のグアムなどへの移転(2)米保護領テニアンへの日米共同施設の建設(3)嘉手納以南5基地の3段階での「返還」―などが盛り込まれましたが、「返還」の時期については明記がなく、年内に具体的な計画をまとめるとしています。
小池政策委員長が談話
日本共産党の小池晃政策委員長は27日、米軍再編見直しの日米共同文書について談話を発表しました。(全文)
共同文書について談話は、米軍普天間基地の辺野古「移設」にあくまでも固執するもので、「新基地建設に反対する沖縄県民の総意に真っ向から挑戦するもの」だと抗議。「嘉手納以南の土地返還」についても「実現の保証がまったくない」とのべています。
また、今回の合意に普天間基地「補修」と日本側の「経費負担」が明記されたことは「きわめて重大」だとして、同基地の大規模補修は固定化につながり、そのために日本国民の税金を投入することを「断じて許してはならない」と批判。グアムと北マリアナ諸島での訓練場建設への協力も「まったく理不尽」だと糾弾しています。日米合意の白紙撤回を強く要求しています。
在日米軍再編 世界規模の米軍トランスフォーメーション(変革)の一環として、在日米軍の態勢や基地機能を再編成すること。2006年に「ロードマップ(行程表)」を日米が最終合意。しかし、沖縄の普天間基地「移設」や海兵隊のグアム移転が行き詰まり、見直し作業が行われていました。
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