2012年4月25日(水)
「ミサイル防衛」相次ぐ失敗
性急な調達を批判
米監査院
米政府監査院(GAO)は20日、米国内で「ミサイル防衛」システムの実験で失敗が相次いでいる事態について、技術的に未完成なまま製造に踏み切る調達方法を批判する報告書を公表しました。
GAO報告書は、2011年に行われた実験・開発について、「目標を達成したものは一つもない」と指摘。具体例として、昨年9月にイージス艦配備のスタンダードミサイル(SM3)IB型の迎撃実験が失敗し、自衛隊が使用しているIA型も含めて調達・製造が停止されたことを挙げています。
また、日米両政府が共同開発し、米国が欧州への売却を狙っているIIA型も開発が大きく遅れています。
さらに、地上配備の迎撃システム(GMD)に至っては05年から10年まで連続して迎撃実験に失敗。それにもかかわらず、12基が製造段階に入っています。
報告書は、その原因として、「ミサイル防衛網の急速な配備」を指示した02年の大統領命令と09年の声明に基づき、技術開発が不十分なまま製造に踏み切る「並行」方式があると指摘。技術開発が完了して次の段階に移る通常の調達方法に切り替えるべきだと提案しています。