2012年4月25日(水)
年金食いつぶしのAIJ問題
一部出資者に利益供与
証人喚問で大門氏
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AIJ投資顧問による巨額の年金資産消失問題で、参院財政金融委員会は24日、浅川和彦社長とアイティーエム証券(ITM)の西村秀昭社長に対する証人喚問を行いました。日本共産党の大門実紀史議員の追及で、一部の関係者・出資者に利益供与を図っていた実態が浮き彫りになりました。
AIJは、浅川氏が実質的に支配する二つの投資事業組合を通じてITMを支配し、資金集めと運用を行っていました。大門氏はこの二つの組合(ディバーシファイド・ストラテジー投資事業組合、シグマキャピタル投資事業組合)に各99%出資しているのが神戸松蔭女子学院大学(神戸市)であることを初めて明らかにし、ITMを「支配」する資金が結果的に同大から提供されていたのではないかと追及しました。
浅川氏は「(同大が)2002年の9月から投資している」と認めました。西村氏も「かなり長い、深い付き合いがあると思っていた」とのべました。
大門氏は入手した内部資料にもとづき、ITM株が当初比の1・7〜3・9倍の価格で両事業組合や浅川、西村両氏らから買い戻されていた事実を指摘。浅川氏は「事実なんだと思います」と認めました。
大門氏は、自社株買いで生じた利益を両事業組合を通じて同大に還元していたのではないかと追及。浅川氏は「そこだけ言われるとそうなんでしょう」とのべました。
大門氏は、同大学の学長・理事長を歴任した人物に対しても、2000万円で売ったITM株を3414万円で買い戻していたことを指摘。浅川氏は「当然知っている」と認め、「私が野村証券にいたときの顧客だ。年に1、2回会っている」と答えました。
大門氏は、「年金を食いつぶしておきながら、出資者や関係者だけに『利益供与』している。こんな構図は到底許されない」と強調しました。
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