全国青年ボランティアセンター　＠宮城　開設

微力だけど　無力じゃない

　宮城県登米（とめ）市の田んぼに囲まれた静かな住宅街。その一角に、日本民主青年同盟による東日本大震災支援のための全国青年ボランティアセンターが１７日、開設されました。この場所に拠点を構えるのは３回目。近所の人からも「またきてくれたんだね」「前回、いろいろ助けてもらった。またお願い」と歓迎されています。センター長の「いくみん」こと和田育美さん（２８）＝民青中央常任委員＝に話を聞きました。（栗原千鶴、前田桃）

センター長の和田さんの話

（写真）ボランティアセンターの開設で、頑張ろうと気合を入れる青年たち。左から２人目が和田さん

　昨年４月に始めた民青のボランティア活動も４回目となります。拠点は宮城県に置きますが、岩手県、福島県でもボランティアをしたいと現在、準備中です。

　私は、今年２月に被災地を訪れ、たくさんの被災者の方にお話をうかがう機会がありました。

　ある仮設住宅では高齢の方が「家は津波で流され、年金は６万円ほど。仮設住宅を出て行く展望が見えない」と話していました。プレハブで営業を再開した商店の方は、見ず知らずの私に「生活は厳しい。助けてください」と。漁師の方は、海のがれき撤去の仕事をしているが安定していないと話してくれました。「１年たっても被災地の現状は厳しい｣と実感しています｡

　今回のボランティアでは、仮設住宅や在宅被災者の方々にも困っていることを聞き、必要なものを支援したり、政治で解決できることは日本共産党と協力し国会に届けたりしていきたいと思います。

　震災を機に、原発問題や、これからの日本のあり方について考えたり、関心を示すようになったりした青年はたくさんいます。

　今年の３月１１日に民青は他団体とも協力し、原発事故や大震災を忘れない、二度と起こさないという思いで、キャンドルパレードなどを全国各地で行いました。友達を誘ってきたり、飛び入りする人もたくさんいました。

　また、原発再稼働をめぐって首相官邸前での行動や各地での抗議行動に、多くの青年が参加しています。

　青年の「何かしたい」という思いに応えるセンターにしたいと思います。

　センターでの生活は炊き出しや掃除などみんなで支え合います。

　夜は感想交流会を開き、その日にあったことや困ったことなどを出し合います。被災地では、すぐには解決の展望が見えない問題も多いだけに、どうしたらいいのかみんなの思いや解決の方向を共有していければと思います。

　センターの近所の方々にも大変お世話になっています。向かいに位置するクリーニング店の方は「若い人がきたらドンチャン騒ぎをするのではないかと思ったが、夜は早く寝て、朝早くから出かけて行く。感心した」と言ってくださり、「ボランティアのボランティアだ」と、毛布やシーツを無料で洗濯してくれました。他にも、地元の野菜を差し入れてくださる方や総菜を持ってきてくれる方もいます。

　「微力ですが、無力ではない」との思いで、みんなと力を合わせて頑張りたいと思います。

ぜひ来てね

宮城県登米市在住　センターを管理する佐藤　真治さん

　地元にボランティアセンターが開設したときいて、参加するようになったのは昨年８月でした。登米市は内陸部ですが、地震の影響は大きく、倒壊した家もあります。周囲の人も含めて、心に傷を負っている人も多かった。そのときにこのボランティアセンターができて、ぼく自身、外にでるきっかけをもらいました。今回は、夏に会った人がまたボランティアに来てくれると聞いています。再会を楽しみにしています。みなさんも、ぜひきてください。

参加します

埼玉県春日部市在住　萱場（かやば）　篤史さん

　５月３日から６日まで参加します。仙台市若林区に住んでいた親戚は、津波の被害に遭い、いま仮設住宅で暮らしています。大震災での出来事は身近な問題でした。

　今月の１５日には、埼玉県の民青の仲間と、原発事故のため集団避難している福島県双葉町の方々のボランティアに初めて参加しました。被災当時の話やその後の暮らしなどを事前に聞いていたので、自分に何ができるのかと悩みながらの参加でしたが、一緒に歌ったり、笑ったりしている間に、逆に励まされている自分がいました。

　今度の被災地でのボランティアでは現地をしっかり見て、被災者の方々と触れ合って、復興について考えたい。そして少しでも力になれればうれしいです。