2012年4月22日(日)
消費税、年金など11法案
前例ない一括審議 特別委許すな
24日に設置強行の構え
政府・民主党は、消費税大増税へ向けて24日に「一体改革」特別委員会を設置し、11本もの法案を一括して審議する前例のないやり方をねらっています。26日から衆院本会議で審議入りする構えです。野田首相が「政治生命をかける」と執念を燃やす消費税増税。会期末まで2カ月を切り、前代未聞の暴挙に出ようとしていますが、国民との矛盾は避けられません。
「24日に衆院本会議を開き、特別委員会を設置したい。これは不退転の決意だ」
前田国交相と田中防衛相の問責決議が可決された20日、民主党の城島光力国対委員長は各党を回り、問責などなかったかのように11法案を審議する特別委員会の速やかな設置を求めました。
問責可決を受けて自民党から審議拒否されても、他の党に対しては「自民党が欠席しても設置は行う」と強調。自民党などが年金交付国債と共通番号制導入に関する計4法案を外すよう求めても、「一体改革と関連がある」と拒絶しました。
ろくな審議もせず
一括審議のねらいは消費税増税はじめ長年にわたってねらわれてきた悪法を、「一体改革」の名で一括してろくな審議もせず押し通すことです。
11本の法案は、一つひとつが国民生活に重大影響を与える法案です。増税など重要な歳入法案は公聴会を開くなど慎重かつ徹底した審議を行うことが国会法にも明記されています。その他の法案も、本会議で首相に対する質疑を行う「重要広範議案」として慎重で徹底した審議を行うべきものです。
消費税導入を決めた1988年、増税法案は衆院で80時間余(20日間)、参院を含めると140時間の審議時間を要しました。
今回は増税法案だけでなく、年金、子育てから人権にかかわる法案まで経過も性格もまったく異なる11本もの法案を一括して審議することになります。慎重かつ徹底した審議が行われる保証など到底なく、「国民に十分な理解を得る」(野田首相)ことなどできないのは明らかです。
日本共産党の穀田恵二国対委員長は城島氏に対して20日、「慎重で徹底した審議を行うべき重要法案を一括で審議することになればその保証もない」とのべ、特別委員会設置に強く反対する考えを改めて表明しました。
一括審議となる11法案
○消費税増税関連2法案
・消費税法一部改定案 消費税率を10%に。国民には13.5兆円の増税
○年金関連3法案
・国民年金法の一部改定案 年金額2.5%削減、交付国債発行
・年金一元化法案 共済年金の保険料引き上げ
・国民年金法の一部改定案 低所得者への加算、短時間労働者への適用拡大
○子ども・子育て新システム関連3法案
・子ども・子育て支援法案 保育の公的責任投げ捨て市場化へ
○共通番号制(マイナンバー)関連3法案
・行政手続き番号利用法案 全国民に番号をつけて税・保険料の徴収強化