「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年4月19日(木)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 通勤の途中、前の方からなにやら黒い粒のようなものが飛んできました。よける間もなく目に入り、ひとしきり痛い▼翌朝、やっと違和感が消え、涙とともに異物の残りが流れ出てきました。どうやら、アリだったようです。春がきて、女王アリと雄アリは空中を飛びます。結婚飛行です。空中で交尾し、役目を終えた雄は死に、受精した女王は地上で羽を落として産卵に入ります▼アリの仲間は、世界中に1京(けい)匹ぐらいいるそうです。1兆の1万倍です。アリは、おそらく地上でもっとも数の多い生き物の一つでしょう。そんなアリたちの社会に、「少子化」などあるのでしょうか▼日本の人口は、また減りました。昨年10月1日現在、1年前より25万9000人減。新しく生まれた人の数が亡くなった人より少ない、「自然減」がとまりません。過去最大、18万人の自然減でした▼政府が2年前、日本、韓国、アメリカ、フランス、スウェーデンの男女に聞いています。「子どもをもっと増やしたいか」。「増やしたくない」のいちばん多い国は日本で、47・5%にのぼります。アメリカ、フランスは10%台、スウェーデンは7%でした▼仕事が忙しく、保育や教育にもお金がかかり、心身ともに親の子育ての負担が大きい日本。収入の少ない若者は、結婚もままなりません。彼らを犠牲に、大企業が栄えます。『怪談』の作家、小泉八雲はアリをほめました。共同して生きる彼らは、強者が弱者を滅ぼす人間社会の進むべき未来を示している、と。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって