2012年4月17日(火)
消費税増税強行へ一括審議
年金改悪・保育市場化・国民番号制まで
民主が提案 共産党反対 徹底審議を要求
民主党の城島光力国対委員長は16日の与野党国会対策委員長会談で、衆院に「社会保障・税一体改革特別委員会」を設置し、消費税増税法案など計11法案(別表参照)を「一括審議」したいと提案しました。「一体改革」を口実に、消費税大増税と年金改悪や保育の市場化、国民番号制導入などの重要法案の今国会中の一挙成立を狙う前代未聞の提案です。
日本共産党は「徹底審議の保証がない」として厳しく反対しました。自民党などは特別委員会の設置には反対しませんでしたが、11法案もの一括審議には懸念を表明。城島氏は「おおむね了承された」としました。
定例日がなく連日の審議も可能ですが、今回のように性格も経過も違う重要法案を一括審議するのは例がありません。
日本共産党の穀田恵二国対委員長は会談で、消費税増税法案をはじめ、いずれも「一つの国会会期で通るか通らないかの、制度改悪など根幹にかかわるきわめて重要な法案だ。一括審議では徹底審議の保証はない」と主張。消費税増税法案は、それ自体が徹底審議すべきもので、歳入法案と重要な政策課題の法案を一括審議した前例はないと批判しました。
また、「社会保障関連だから『一括審議』をというが、連合審査や関係閣僚の出席で議論を深める方法もある」と指摘。「一括審議」は、これまで取り組んできた各委員会の審議の保証にも反すると批判しました。
穀田氏は、「この間の子ども手当の廃止など民自公3党による国会運営上の談合横行は目にあまる。そういうやり方で通すようなことがあってはならない」と強調しました。
一方、自民党の岸田文雄国対委員長は「一括審議」は「前例のない審議のやり方」だと述べた上で、「審議のルール」の確立を要求。公明党の漆原良夫国対委員長は対象法案について留保。「重要広範議案にもあたる法案の審議が希薄にならぬよう求める」と述べました。社民党も持ち帰り検討するとしました。
<一括審議を求める11法案>
●消費税増税法案(法案は2本)
消費税を10%に引き上げ
●厚生年金保険法改定案
パートへの社会保険の適用拡大
●年金一元化法案
厚生年金と共済年金の一元化
●国民年金法改定案
基礎年金の国庫負担(2分の1)財源に、消費税で賄う「年金交付国債」を発行
●子ども・子育て新システム法案(3本)
保育の公的責任を投げ捨て市場化をすすめる
●国民共通番号制(マイナンバー)法案=3本
全国民に番号を付けて税・保険料の徴収強化、プライバシーを侵害