2012年4月16日(月)
保育所面積基準緩和
“子どもの命を危険にさらす”
□大阪市□
大阪市の橋下徹市長は、「0歳児5平方メートル、1歳児3・3平方メートル」というこれまでの保育所面積基準を、0〜5歳まですべて1人あたり1・65平方メートル(畳1枚に相当)に下げることのできる条例を制定しました。日本共産党の反対や市民の懸念の声を受け、同市議会では、条例に賛成した会派も慎重な実施を求める付帯決議に全会一致で賛成せざるをえませんでした。
同条例は4月から実施ですが、10日時点では新基準は採用されていません。5月以降に採用される可能性があります。
大阪市保育運動連絡会の中山清子事務局長は、「この間、橋下市長の動きに危機感をもった保護者が連名で市議会に要請しました。しかし、まだまだ保護者に知らせきれていません。子どもの命を危険にさらすことを望む親はいません。橋下市長がやろうとしている事実を広く知らせ、実施を許さない声を高めます」と語っています。
□東京都□
24自治体が対象となる東京都では、0〜1歳児1人あたり3・3平方メートル以上という基準を、年度途中から2・5平方メートルに緩和できるようにしました。実施するかどうかは各市区の判断で、4月現在、実施を表明しているところはありません。
基準の引き下げ対象が2歳未満児とされているため、仮に実施されたとしても2歳児以降の受け入れが課題となります。足立区は「すでに2歳児で待機児童が出ている。0〜1歳児で限定的に入所させても2歳以上の入所枠が確保できない」などとして実施を見送っています。一方、大田、練馬、江東、中野区の4自治体が「検討中」と述べ、今後の基準引き下げの可能性を残しています。
大田区の認可保育所に4歳と0歳の子どもを預ける母親(32)は、「子どもが3歳児になった時、ぎゅうぎゅうして部屋が狭いと感じました。今でさえ十分といえない基準を引き下げるのは、あまりに安易で、子どもの目線に立っているとはいえません。国が責任を持って認可保育園を増やせば待機児童は解決するはずです」と語っています。(鎌塚由美)