2012年4月14日(土)
大飯再稼働認める
閣僚会合、事故原因究明ないまま
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野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら３閣僚は１３日夕、原発再稼働を議論する６回目の関係閣僚会合を開き、関西電力大飯原発３、４号機（福井県おおい町）の再稼働について「安全性と必要性の判断を踏まえ、国民に説明し理解を得られるよう全力をあげる」とのべ、政府として再稼働を認めたうえ、地元の理解に全力をあげる考えを示しました。
福島原発事故の原因究明も行われないうえ、安全対策もなんら実施されていないなかで、“安全ぬきの再稼働ありき”のシナリオを貫いたもので、国民的な批判は免れません。
枝野経産相は会合後の記者会見で、先の閣僚会合で決めた新たな「基準」をもとに「おおむね妥当」とした関西電力の工程表について「判断基準を満たしている」とのべ、「安全性を最終的に確認した」と表明しました。
また、他の電力会社からの融通などを考慮にいれないで､関電管内では今夏、猛暑の場合は最大１９・６％の大幅な電力不足に陥るなどとした試算をもとに、原発が再稼働しない場合､｢需給ギャップが避けられない。非常に厳しいレベルの電力不足が発生する」などと指摘。「（再稼働の）必要性が存在する」としました。
枝野経産相は「最終的な再稼働判断ではない」としましたが、政府としては「安全性」「必要性」を確認し、あとは地元の説得にあたる構え。福井県の西川一誠知事やおおい町の時岡忍町長に直接理解を求めるため、１４日に枝野経産相が地元入りする見込みです。
福島県の佐藤雄平知事が被災県として事故原因究明もないままの再稼働の動きを「じくじたる思い」と批判したのをはじめ、京都府や滋賀県など福井県に隣接する知事も、政府が再稼働に向けた手続きを短期間で進めていることを批判しており、政府の再稼働ありきの異常な姿勢が問われています。
「再稼働許すな」首相官邸前
 （写真）大飯原発の再稼働反対を訴える人たち＝13日、首相官邸前 |
関西電力大飯原発（福井県おおい町）３、４号機の再稼働をめぐり市民ら１６００人は１３日夜、首相官邸前で再稼働に反対する抗議行動を行いました。主催は「首都圏反原発連合」の有志。
同時刻には、大阪市の関西電力本社前でも抗議行動が行われました。参加はインターネットのツイッターなどで呼びかけられました。
参加した市民は「電力が足りなくなるというのはウソだ」「子どもの命を守れ」など、次々とハンドマイクを握り訴えました。
抗議行動の終盤では、野田佳彦首相と３閣僚が「再稼働は妥当と判断した」との一報が入ると、政府や首相に対して怒号が飛び、悔しさに涙をにじませる人も。
杉並区の女性（３７）は、知らせを聞いてあ然とした表情。「国民の声が無視されて、怒りの気持ちでいっぱい。でも、諦めないで原発反対を訴えていきたい」と話しました。
日本共産党の吉良よし子参院東京選挙区予定候補も参加しました。
(c)日本共産党中央委員会 ・