2012年4月10日(火)
新私大生の仕送り 過去最低
首都圏 1日平均1010円
震災・原発で親の収入減
首都圏の私立大学の新入学生の仕送り額と生活費が過去最低を更新したことが9日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の「2011年度家計負担調査」で明らかになりました。昨年度は、東日本大震災、福島第1原発事故の影響を受けた親世帯の収入減少が大きくかかわっているとみられます。
調査は今年で27回目。昨年5〜7月に1都5県(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木)の18大学・短大の新入生の保護者を対象に実施し、5514人が回答しました。
自宅外通学者の「入学にかかる費用」は平均298万円で税込み年収の3分の1を占め、9割の家庭が入学費用を「重い」と感じていると回答。費用を「借り入れ」した家庭が18・5%と、家計の大きな負担になっていることが分かりました。
入学直後の出費が落ち着く6月以降の自宅外通学生への平均仕送り額は9万1300円で、調査開始以来の最低額を更新しました。仕送りから家賃を引いて30日で割った1日の生活費は平均1010円で、最高時の1990年の41・1%です。
何らかの奨学金を希望する家庭は、自宅外生が72%、自宅生も59・1%にのぼりました。
同日会見した東京私大教連は「1日1010円の生活費は非常に厳しい。アルバイトをしなければ大学に通えない状況だ」と指摘しました。
自由記述欄からは「今回の震災により自営していた店舗を失いました。学費・仕送りの工面は大変難しく不安です」など父母の切実な声が聞かれます。