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2012年4月10日(火)

日航不当解雇裁判勝利めざす集会

志位委員長あいさつ

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 9日に参院議員会館で行われた日本航空による不当解雇の撤回を求める裁判の勝利をめざす院内集会で、日本共産党の志位和夫委員長があいさつをしました。その内容を紹介します。


写真

(写真)激励する志位和夫委員長=9日、参院議員会館

 みなさんこんにちは。私は、このたたかいで勇気をもって奮闘しておられる原告団のみなさん、弁護団のみなさん、支援者のみなさんに、まず心からの敬意を表します。そして、ともにたたかう決意を込めてごあいさつを申しあげたいと思います。(拍手)

 今度の東京地裁判決というのは、まさに会社の主張を丸のみした不当判決でありますが、同時に大変「わかりやすい」判決―悪い意味で「わかりやすい」判決だと思いました。そして論理がメチャクチャに破たんしている判決であります。

「首切り自由」に道を開く――すべての労働者への攻撃

 とくに私は、二つの大きな問題があると思って読みました。

 第一は、「首切り自由」に道を開く、すべての労働者への攻撃の判決だということであります。

 私は、「不当判決」という第一報を聞いたときに、東京地裁は、整理解雇4要件は会社更生下の企業には適用されないという判断を下したのかというふうに思ったのですが、判決文を読んでみますと、整理解雇4要件は会社更生下の企業にも適用されると書いてある。そう書いておきながら、具体的吟味にあたっては、ことごとくそれを空洞化し、蹂躙(じゅうりん)しているという、まったくの自己矛盾、自己破たんの判決となっているのではないでしょうか。

 私は、そのいちばんの典型は、稲盛和夫会長(当時)が、「経営上、整理解雇は必要なかった」と、証人尋問でそういった。これ以上の証言はないじゃないですか。ところが、判決によると、それは「心情の吐露にすぎなかった」とされました。「心情を吐露」したというなら本当のことになるわけですが(笑い)、それを証拠として採用しない。

 そこまでやって整理解雇4要件をことごとくふみつけにしたのが、地裁の判決であります。こんなことが許されるなら、会社更生下の企業は、「首切り自由」ということになってしまう。ここで整理解雇4要件に大穴をあけさせるわけには絶対にいかないということで、がんばり抜きたいと思います。(大きな拍手)

「空の安全」を脅かす――世界からみて恥ずかしい判決

 第二に、今度の判決というのは、「空の安全」を脅かす、すべての国民の命を脅かす判決だと思います。

 私は、昨年の予算委員会で、今度のJALのやり方は、「空の安全」という点で、二つの大きな問題点があると告発しました。

 一つは、過去に病欠や乗務制限があった労働者を狙い撃ちにしている。もう一つは、年齢で区切って首を切っている。こんなことをやられたら、「空の安全」は大変なことになるということを国会で訴えました。

 この問題について判決では、過去に病欠や乗務制限があった労働者について「(会社への)貢献として劣る」と書いて、解雇の人選に問題はなかったとしました。

 こういうふうに書かれたら、体調が悪くても、届けは出せなくなります。体調が悪かったら、それを正直にきちんと申告することこそ、「空の安全」を守るものであり、「空の安全」への「貢献」ではありませんか。それを逆に「劣る」と決めつけて、この人員削減のやり方は正当性があると言った。

 年齢については、判決はこう書きました。「必要な知識や経験の多寡が年齢と相関関係にあると認めるだけの根拠はない」。こんなばかな話がありますか。「必要な知識と経験」は、「年齢と相関関係」があるに決まっているじゃないですか。長い経験を積み重ねて、そこで知識や技術が積み重なっていく。当然じゃありませんか。パイロットの方も、客室乗務員の方も、みんな同じであります。

 私は国会で、「ハドソン川の奇跡」とよばれた不時着を成功させたサレンバーガー機長をとりあげましたけれど、ああいう判断ができるのは、まさに長い飛行体験によって、経験と知識と技術を積み重ねたところで生まれるわけじゃありませんか。

 そういう大事な、宝のような人たちを切ってしまって、どうして「空の安全」が守れるか、と思います。

 世界から見て、こんな恥ずかしい判決は、私はないと思います。敗北したのは、司法ではないでしょうか。(大きな拍手)

大義はたたかう労働者の側にある――必ず勝利を

 このたたかいは、全労働者にかけられた攻撃であり、国民の命を守るたたかいです。大義をもっているのは、みなさんがたです。

 ですから、必ず勝たなければなりません。勝利するまで、私たちも一緒になってがんばる決意を申し上げ、連帯のごあいさつとさせていただきます。

 がんばりましょう。(大きな拍手)


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