2012年4月10日(火)
消費税に頼らない道へ
“提言は砦”“展望見えた”
千葉県経済懇談会 志位委員長が報告
学者/商工業/医療・福祉…92団体298人集う
「提言はわれわれの砦(とりで)だ」、「明るい展望がみえた」―。8日、日本共産党千葉県委員会が志位和夫委員長を招き、千葉市内で開いた「千葉県経済懇談会」で、多くの参加者からこんな意見が寄せられました。消費税大増税法案をめぐる緊迫した情勢のもと、経済学者や商工業者、医療・福祉関係者ら92団体298人が集いました。
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党の「社会保障充実と財政危機打開の提言」の報告にたった志位氏は、「社会保障の段階的充実」と「国民所得を増やす民主的経済改革」を同時並行で進める「提言」の要点を詳しく説明し、消費税に頼らない展望を示しました。「心ある人びとが消費税増税に替わる道が必要だと真剣に考えています。それに答えるのが『提言』です」と訴えました。
ゲスト発言した川鍋正敏氏(立教大名誉教授)は消費税増税の問題点を指摘。「社会的強制力を強めて、内需拡大、応能負担、社会保障・福祉を優先した税制に転換させなければならない」と強調しました。
参加者からも、志位氏に個別の懇談会の開催を求めるなど、たくさんの意見や提案が出ました。
クリーニング業を営む千葉県商工団体連合会の田中正行(たなか・まさゆき)副会長は、消費税に苦しむ業者の声を紹介し「『やめるしかない』との声もあがっている。『提言』は私たちの運動の砦となる」と期待を寄せました。
「提言」が環太平洋連携協定(TPP)参加に反対し国内農業を守ることを提案している点にふれて、野菜の産直事業に取り組む房総食料センターの宝利武(ほうり・たけし)専務理事は「TPPに参加すれば農業が破壊されてしまい、深刻な問題です。『提言』を広く国民に知らせてほしい」と訴えました。
千葉市中央地区商店街協議会の鈴木喜久前会長は「消費税の引き上げは仕方ないかと疑心暗鬼になっている」と話し、「『提言』に終わらせず、上げないようにお願いしたい」と述べました。
閉会あいさつのなかで志位氏は、「提言」の実現可能性を問う意見が出されたことなどにふれ、「五十数%から60%の国民は消費税増税に反対です。多数の声はわれわれにあります。消費税に頼らない道がここにあると訴えれば、この声は強くなり、広がっていきます。そうした大きな流れができればこの『提言』を実行する道が開けてきます」と力説しました。