2012年4月6日(金)
12年度予算成立
対決軸示した論戦
行き詰まり打破する政党は
今年度予算が5日、成立しました。民主・自民と「第三極」を標ぼうする諸党の合言葉になったのは、「決められない政治」からの脱却でした。
決断を主張
野田首相は「課題を先送りしてきたことが政治不信を招いた」とのべ、「決められない政治から脱却」と表明。自民党も「(民主内の増税)反対派を切ってでも前に進む決断ができるかどうかだ」(谷垣禎一総裁)と主張。みんなの党も「決められない政治を打破する」(渡辺喜美代表)と打ち出しました。
旧自公政権がもたらした政治・経済・社会にわたる閉そく感に加え、東日本大震災から生活と営業を再建・復興させるため、政治が決断し役割を果たすべきことは論を待ちません。
しかし、野田首相らがやろうとしていることは、13・5兆円にのぼる消費税増税をはじめ、環太平洋連携協定(TPP)参加、米軍普天間基地「県内移設」、原発再稼働など、国民生活も経済も苦境に追いやり、財政も破綻に追い落とす展望のない道です。
これらは財界とアメリカの要求であっても国民の要求ではありません。消費税増税には6割の世論が反対です。“消費税を引き上げると景気が良くなる”というのは国民の常識からかけ離れた「珍論」だとマスコミから批判されるほどです。
政治不信をいうのなら、「自民党政治を変える」といって期待を集めて政権交代しながら、「与野党に違いはない」といって消費税増税を押し付ける民主党の裏切りをまず反省すべきです。「決断」すべきは、財界とアメリカにつき従う政治からの脱却です。
この点では、みんなの党も変わりありません。労働者派遣法の改正をめぐっては、民主、自民、公明の3党が「アンチビジネス」だといって骨抜きにしたのに対し、財界の要求を代弁してさらなる規制緩和を求めました。
抜本的対案
これに対し、政治の行き詰まりを大本から打破する道を示してたたかったのが日本共産党です。税と社会保障の「一体改革」では、大企業と富裕層への優遇税制を改めるなど、消費税増税に頼らず、社会保障の拡充と財政危機を打開する抜本的対案を掲げて野田政権と対決しました。
アメリカと財界いいなりの「二つの異常」から抜け出し、展望を示す日本共産党。「二つの異常」から抜け出せない民主・自民の「二大政党」と「第三極」諸党―。この対決軸を示したのが、予算をめぐる論戦です。
消費税増税をめぐって与党内に亀裂が生じるなど世論は政治を動かしています。派遣労働者からこんなメールをもらいました。「派遣法の改正はならなかったけれど絶望はしていません。これまでは無関心だったけど、政治を変えるまで声をあげ続けていきます」―。
日本共産党と国民の共同を広げて消費税増税法案を廃案に追い込み、行き詰まった政治を大本から転換していくたたかいはすでに始まっています。(深山直人)