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2012年4月6日(金)

きょうの潮流

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 黒いキャップ帽の老人が、広島の街を歩く。しぶいおしゃれないでたち。老人が口を開く…▼医師の肥田(ひだ)舜太郎さんを記録する映画、「核の傷」の始まりです。広島で被爆し、被爆者の治療と核兵器をなくす運動に生涯をささげてきた肥田さんは、ことし95歳です。53分の映画は6年前、フランス人監督によって撮られました▼院長を務めていた埼玉協同病院で患者をみる時も、被爆の真実をかくしてきた日米両政府を告発する時も、肥田さんの穏やかな表情と実直な口ぶりは変わりません。しかし、みずからの使命を果たそうとする気迫が、ぴんと伸ばした背筋から伝わってきます▼肥田さんは、ずっとふに落ちませんでした。原爆投下のあと広島へ入り、じかに被爆していない人々が、なぜ「体がだるい」といった症状で苦しむのか。戦後30年たち、やっと答えをえます。原発をつくる会社にいたアメリカの研究者が、低線量の被ばくの実情を研究していたのでした▼低線量被ばく、内部被ばくに警告を発する肥田さん。福島原発の事故後にのべています。「もう二つ三つ事故が起これば、日本はおそらく滅亡するでしょう。そういう…状態なのだということを、為政者は誰ひとり考えない」(憲法9条・メッセージ・プロジェクト『この国はどこへ向かうのか?』)▼原発災害の現実を知れば、“日本は滅ぶ”が大げさとは思えません。近畿の水がめ琵琶湖も近い大飯原発を、地震・津波の影響もまともに調べず再び動かすなど、いったい…。


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