2012年4月5日(木)
論戦ハイライト 参院予算委 大門議員質問
債権買い取り 金融機関に要請を 大門氏
貢献するよう促す 金融相
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4日の参院予算委員会で、東日本大震災で被災した中小企業支援策についてただした日本共産党の大門実紀史議員。事業再開のための資金支援として、店舗や工場の再建費用を4分の3まで補助する中小企業施設グループ補助金をとりあげました。
現状は、補助金の申請が採択されたのは件数で2割、金額で3割にとどまっており、4000億円以上が不採択になっています。宮城県議会は「直接支援を求める中小企業が非常に多く残されている」とのべ、大幅な拡充を求める意見書を可決しています。
大門 グループ補助金は被災地で大変喜ばれている。しかし、予算額が限られているので却下されている。要件に合致するグループに支援が行き届かないのはおかしい。
平野達男復興相 予算をできるだけ確保し、地域でも(再建の)計画をつくってもらうよう働きかけたい。
大門 復興関係の予備費が4000億円あり、機敏に手を打つべきだ。
安住淳財務相 地域の再生の切り札になるなら、中小企業庁や経産相と相談する。資金はしっかり出していった方が良い。
中小企業グループ補助金 予備費活用すべきだ 大門氏
資金しっかり出す 財務相
もう一つの焦点は債権買い取りです。
中小企業庁の「産業復興機構」が買い取った債権は岩手・宮城で11件、条件変更で解決した債権は被災3県で18件にとどまっています。議員立法でつくられた「東日本大震災事業者再生支援機構」は設立から1カ月がたっても買い取りはゼロです。
大門氏がスピードアップを求めると、鈴木正徳中小企業庁長官は「外部の専門家を使うなど、できるだけ迅速に進める」と答弁。平野復興相は「経営難ではなく災害から事業再生をするということを強く言っていきたい。PRすることも大事だ。1件ずつ粘り強く支援していきたい」と答えました。
大門氏は「早くたくさんの中小事業者を支援、救済しなければならない」と述べ、(1)金融機関の姿勢を改めさせる(2)買い取り方式の思い切った改善―を提案しました。
大門 被災した中小企業の再生なしに、金融機関の未来もない。特に公的資金を注入した金融機関に強く要請すべきだ。
自見庄三郎金融担当相 資本を増強した金融機関には、再生支援に継続的に貢献するようしっかり促していく。
買い取り方式について大門氏は、一定割合で「第1次買い取り価格」を決めて一気に買い取り、さらに損失が出た場合は金融機関と支援機構で分担し合う「2次ロスシェアリング」方式などを紹介し、こう述べました。
大門 現状では千件、2千件規模で支援するのは難しい。買い取り方式を研究すべきだ。
復興相 提案をしっかり受け止め、検討する。
野田佳彦首相 現場を踏まえた現実的な提言だ。しっかり受け止めて対応する。
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