2012年4月5日(木)
被災者支援で大門議員 二重ローン解消へ提案
首相「しっかり受け止め対応」
参院予算委
日本共産党の大門実紀史議員は4日の参院予算委員会で、東日本大震災で被災した事業者の「二重ローン」解消は急務だとして支援の具体的改善策を提案し、再生の意思あるすべての事業者を支援するよう求めました。野田佳彦首相は「現場を踏まえた現実的な提言だ。しっかり受け止めて対応する」と応じました。 (論戦ハイライト)
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岩手・宮城・福島の被災3県では、1万2771事業者が返済の一時停止や返済条件の変更を受けており、債権額は7036億円に上ります。大門氏は「具体的支援策はすでにある。支援の規模とスピードが問題だ」と指摘しました。
事業再生資金を補助する「中小企業グループ補助金」は、被災3県で6386億円の申請に対し採択が2022億円にとどまります。大門氏が来年度予算案の500億円では足りないと指摘し、震災復興予算の予備費4000億円の活用も検討するよう求めると、安住淳財務相は「地域再生のために資金はしっかり出したい」と初めて答弁しました。
債権買い取りも遅れています。産業復興機構が買い取った債権は岩手と宮城の2県で11件。3月5日に業務を開始した再生支援機構の買い取り件数はまだゼロです。
大門氏が「両機構が連携し年内にできるだけたくさんの中小事業者を救済しなければいけない」と力を込めると、他党議員も「そうだ」と賛同しました。
大門氏が(1)機構に債権を持ち込むよう金融機関を強く指導する(2)債権の「第1次価格」を決めて一気に買い取るなど買い取り方式を改善する―と提案すると、平野達男復興相は「提案をしっかり受け止め、検討する」と応じました。
産業復興機構と事業者再生支援機構 東日本大震災で被災した事業者が抱える「二重ローン」解消のため、金融機関から債権を買い取り、再建を支援しています。中小企業庁の産業復興機構は昨年11月に発足し、5県(岩手、宮城、福島、茨城、千葉)で設立。復興庁の事業者再生支援機構は議員立法で設立され、3月5日から業務を開始しています。
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