2012年4月4日(水)
お金なく受診できず
紙議員 国保料引き下げ迫る
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日本共産党の紙智子議員は3日の参院厚生労働委員会で、経済的理由で医療を受けられず病状を悪化させる人が相次いでいる現状を告発し、高すぎる国民健康保険料(税)の引き下げを迫りました。
紙氏は、経済的理由で受診が遅れて亡くなった人が2011年に全国で67人に上り、うち42人が国保の正規保険証を持っていなかったとの全日本民主医療機関連合会の調査結果を紹介しました。
この中で、北海道で自営業を営む64歳の男性は胃痛がありましたが、お金がなくて1年間がまんしました。がんの疑いで医療機関から説得され、検査入院したときには全身に転移しており、亡くなりました。
紙氏は、札幌市の国保保険料が所得200万円(夫婦と子ども2人)の世帯で年約35万円に上るなど、高すぎる保険料を払えずに保険証を取り上げられた世帯が全国で約30万世帯に上ることも示し、国費を投入して保険料を引き下げるべきだと迫りました。小宮山洋子厚労相は、消費税増税分を支援に回して低所得者の保険料軽減を行うと答弁しました。
紙氏は、消費税増税分のうち国保に回すとしているのは2200億円にすぎず、全国の市町村が保険料抑制などのために負担している約4千億円にも及ばないと指摘。「消費税増税は家計を圧迫し、景気を冷え込ませ、収入も悪化させる」と批判しました。