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2012年3月29日(木)

きょうの潮流

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 取材の帰り、久しぶりに東京・渋谷の街をぶらつき、気づきました。かつて時々立ち寄った、飲食店が消えている▼よりどり見どりの定食が安かった、古い店。新鮮な魚を山盛り出した、ウナギの寝床のように狭い店。こじゃれた店やチェーン店が立ち並ぶ渋谷で、異彩を放っていました。しかし金の力が、街を限られた色に塗りかえてゆきます▼同様に、量の多さでまさる情報は、人々の考え方を似た色に染めがちです。政治の世界では、情報力も支配しやすく数の力をもつ勢力が、異なる考えをおしのけ、議会や行政を同じ色にぬりつぶそうとします▼選挙で勝ったら「白紙委任」されたといい、異なる意見に耳を傾けない大阪市長。国会では、比例代表で選ばれる議席を削る定数減らし案。議席の少ない党を閉め出し、あまり違いのない二大政党で議会を牛耳ろうとします▼19世紀イギリスの思想家ミルは、少数派の意見の尊重を唱えた人です。彼らの意見は真理かもしれない。除けば人類の損失だ―。思い当たります。たとえば、戦前の弾圧された日本共産党の、“国民が国の主人公”“侵略戦争反対”の訴えは、いま不変の真理と認められている、と。ましていま、議会でまだ少数でも党の「消費税増税ノー」や「原発なくす」の主張は、現に人々の中で多数派なのですから▼ミルは、念入りに説きます。かりに世に認められた多数派の意見が真理でも、異なる意見と論争しないと真理と証明されない―。先人の言葉もむだではないでしょう。


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