2012年3月29日(木)
ソニー期間社員に“春”
解雇撤回 正社員で再就職へ会社と団交し合意
労組仙台支部「団結と支援のおかげ」
震災を口実とした期間社員の雇い止め撤回を求めていたソニー労働組合仙台支部(電機連合加盟)は28日、宮城県多賀城市のソニー仙台テクノロジーセンターで団体交渉を行いました。ソニーは期間社員が働いていた光学フィルム製造部門の売却を発表していましたが、期間社員が再就職で正規雇用に転換できるまで責任を持つことで合意しました。
|
組合側は事実上、雇い止めを撤回させ、組合員が納得できる解決を勝ち取れたとしています。正式な調印は29日に行われます。
ソニーの一部事業売却は、正式契約が5月下旬がめどとなっていますが、6月末までは期間社員を現在の職場で雇用継続し、再就職をあっせんします。
6月までに再就職が決まらない場合でも、ソニー孫会社(清掃業務)の正社員として仙台工場内で雇用しながら、無期限で再就職あっせんを続けます。期間社員がこれまでの専門性を生かせないことになっても労働条件に納得できれば、そのまま働き続けることも可能です。
ソニーは昨年4〜5月、震災を口実に仙台工場の期間社員150人全員に雇い止めを通告。22人がソニー労組に加入し、毎月雇用延長しながら解雇撤回を求め協議を続けていました。現在、組合に加入しているのは12人です。
期間社員のほとんどは「偽装請負」や派遣の期間も含め、ソニーで5年以上も正社員同様に働いており、「正社員になる権利がある」と主張していました。リーマン・ショック後、派遣から直接雇用の期間社員に転換した労働者のほとんどが、2年11カ月以内に雇い止めにあっているなか、正規雇用に転換させる道を開いた重要な成果です。
松田隆明ソニー労組仙台支部委員長は、「途中でたたかいをやめた人もソニーの責任で再就職しており、事実上、震災雇い止めは撤回させた。期間社員があきらめず、団結してたたかい、多くの支援の輪が広がったおかげです」と強調しています。ソニー労組仙台支部は、会社がたとえ事業を一部売却したとしても、被災地復興のため仙台工場の発展の展望を示すよう運動していくとしています。