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2012年3月28日(水)

英戦略核システム放棄で

11兆円の経費削減

報告書発表

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 【ロンドン=小玉純一】英国の戦略核システムを放棄すれば最大835億ポンド(約11兆円)の財政支出削減となる―。英国の保守、労働、自民3党の有力国会議員を共同議長とする委員会がこのほど報告書で明らかにしました。

 英国のトライデント戦略核システムは、弾道ミサイルのトライデントを搭載する原子力潜水艦4隻が支えています。

 英政府は、新型原潜建造などシステムの更新計画を策定中。2015年予定の総選挙後の16年に最終決定する予定です。

 21日に発表された報告書によると、システム更新コストが07年から62年までに870億ポンドに上り、更新計画を実施しなければ16年から62年までの46年間に最大835億ポンド、年平均で18億6千万ポンド(約2500億円)の経費削減となります。

 英国では、緊縮政策による公的サービスの削減が大きな問題となっており、労組や英核軍縮運動(CND)などは「公的サービス削減の代わりにトライデント計画の廃止を」と訴え、街頭デモやウェブ上での署名運動を展開。労働党、自由民主党などの一部議員もトライデント計画反対を表明しています。

 一方、報告書はシステム廃棄による軍需産業への影響を検討し、最大3万1千人の雇用を奪うと指摘。同時に、就役中である原潜の関連の仕事が25年まで続くとして、政府が雇用問題に対応する期間があると強調しました。

 報告書を発表したトライデント委員会は、シンクタンクの英米安全保障情報会議(BASIC)に設けられ、保守党のリフキンド元外相、労働党のブラウン元国防相、自民党のキャンベル元党首が共同議長に名を連ねています。


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