2012年3月28日(水)
研究開発減税 3700億円
国税庁調査 恩恵 大企業が9割
国税庁がこのほど発表した2010年度分の「会社標本調査」で、研究開発減税によって企業が3700億円を超える恩恵を受けていることがわかりました。約9割が大企業です。
研究開発減税は、製品の製造や技術の改良、考案、発明にかかわる試験研究のために企業が支出する「試験研究費」の一定割合を法人税額から差し引ける制度です。
10年度分の調査では、減税総額が3726億円に上ります。89・6%にあたる3340億円が資本金10億円以上の大企業(連結納税グループ企業を含む)の減税額です。一方、資本金10億円未満の企業の減税額は386億円にすぎません。
リーマン・ショック直後となった09年度は減税総額が2565億円で、大企業分は87・5%となる2244億円でした。減税総額も大企業の利用率も上昇したことになります。
同調査では「海外子会社配当益金不算入」の額を初めて公表しました。この制度は外国子会社から受ける配当などの額の95%を、非課税とするものです。09年度に導入されました。益金不算入とされる総額は3兆9417億円に上り、そのうち96・0%に当たる3兆7839億円が資本金10億円以上の大企業(連結納税グループ企業を含む)の適用額です。
これらの額すべてに30%の法人税(国税分)をかけるなら、1兆円を超える額となります。赤字企業を除き、外国で納めた税額を控除するなどしても数千億円の増収が可能となります。
日本共産党は2月に発表した「消費税大増税ストップ!社会保障充実、財政危機打開の提言」で、「研究開発減税、連結納税制度など大企業向けの優遇税制を見直す」と提起し、1・3兆〜1・6兆円の財源になると見込んでいます。
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