2012年3月27日(火)
戦術核削減“ロシアと協議”
韓国で演説 オバマ大統領が意向
核安全保障サミットへの出席のため訪韓中のオバマ米大統領は26日、ソウル市内の韓国外国語大学で演説し、「核兵器を使用したことのある唯一の国」として「核なき世界」の実現に向けて行動する責務に改めて言及し、戦略核兵器に続き戦術核兵器の削減に向けてロシアと協議する考えを示しました。
米国とロシアは2010年4月に調印した新しい戦略兵器削減条約(新START、11年2月発効)で、戦略核弾頭の配備数の上限を1550発にすることなどで合意しています。
オバマ氏は演説で、この合意をさらに前進させ、「ロシアとの間で戦略核だけでなく、戦術核削減という前例のない措置に関しても協議を模索し続ける」と表明。5月に予定するロシアのプーチン次期大統領との初会談で、戦術核削減に向けた新たな交渉を提案する考えを示しました。
オバマ氏は、09年にプラハで行った演説で「核兵器のない世界」を目指す方針を示したことについて、これを「永遠に到達できない不可能な目標だ」と見ることは間違いだとも述べました。
同時に、こうした核兵器の削減は「米国と同盟国の安全を確保し、いかなる脅威に対する強力な抑止力を維持しながら可能だ」とも述べました。
また、「ロケット」発射計画を発表した北朝鮮に対し、「挑発行為と核兵器追求では、あなた方が求める安全を達成できないばかりか損なうことになる」と批判。核開発を進めるイランに対しても、外交的解決に応じるよう呼び掛けました。