2012年3月25日(日)
銃乱射米兵を訴追
アフガンで17人殺害の容疑
【ワシントン=小林俊哉】米軍は23日、アフガニスタンで銃を乱射し、多数の住民を殺害した米陸軍のロバート・ベイルズ2等軍曹(38)を17件の殺人と6件の殺人未遂容疑で訴追したと発表しました。
米軍によると、ベイルズ軍曹は11日、アフガン南部カンダハル州で米軍基地を抜け出し、民家を襲撃、住民を射殺しました。当初は16人が死亡したと伝えられましたが、米軍は死者が男性4人、女性4人、子ども9人の17人だとしています。
アフガン駐留米軍は同日の声明で、事件は「事前に計画されたもの」と指摘しています。有罪の場合、最高刑は死刑となります。
ベイルズ軍曹は現在、米中西部カンザス州の軍刑務所に収容されていますが、太平洋岸のワシントン州の基地に移送され、軍法手続きを進めることになります。
軍曹の弁護人は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)による影響を示唆しています。米メディアでは、過去3回のイラク派遣で負傷したことや、アフガンへの派遣を苦にしていたことなど軍曹の経歴を報道。長引く戦争でゆがむ米軍のあり方にも関心が集まっています。
一方、アフガンでは米軍への怒りがさらに高まりをみせ、カルザイ大統領は、村落からの米軍の撤退を要求。アフガン政府への治安権限の移譲も1年前倒しし、2013年中に行うよう主張しています。