2012年3月25日(日)
論戦ハイライト 消費税増税問題
大門議員が追及 参院予算委
景気も財政も悪化させる自殺行為
23日の参院予算委員会で、消費税増税について「景気も財政も悪化させる自殺行為だ」と批判した日本共産党の大門実紀史議員。復興に大打撃となる消費税増税よりも、富裕層や大企業への適正課税こそ必要なことを浮き彫りにしました。
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「今でも重い住民税を大幅に上回る負担が新たにのしかかる」
復興優先すべき
大門氏はこう述べ、被災3県の消費税の負担額(5637億円)が住民税の負担額(3741億円)を超えることを指摘。岩手県陸前高田市の意見書や新聞投書でも、「被災地を無視している」「今は復興最優先で考えてほしい」など怒りの声が示されていると告発しました。
大門 本気で被災地のことを考えるなら消費税増税はやめるべきだ。
野田佳彦首相 復興をやりぬくことは理解いただきたい。
大門 税金は被災者や庶民から取るのではなく、負担能力のあるところから取るべきだ。
大門氏は、日本の富裕層が増加し、2010年で約174万人、資産総額は330兆円超になるとして、次のように迫りました。
大門 証券優遇税制の廃止、所得税最高税率の引き上げとともに、新たな税制として富裕層の資産に課税する「富裕税」も検討すべきだ。
安住淳財務相 中間層が細っている。累進税率と所得再配分をどうするかは議論しなければいけない。
大門氏は、タックスヘイブン(租税回避地)で、日本企業や投資家保有のペーパーカンパニー数が急増(表)しており、税金がゼロのケイマン諸島には47兆円もの資金が流入していることを示しただしました。
巨額の課税逃れ
大門 ばく大な課税逃れが行われている。
財務相 外国の子会社の所得を合算する税制で課税してきたが、所得の把握ができていないとの指摘はあるので、対応する。
大門氏は、民主党政権になってタックスヘイブンとみなす基準を法人税率25%以下から20%以下に緩和したため、中国などアジア4カ国のペーパーカンパニーが合算課税対象から外れたことを批判。米国では基準法人税率が31・5%以下であること、さらに企業の海外移転に歯止めをかけるため、移転経費を損金として認めず、逆に国内に戻す努力は税制上優遇されていることを示し、迫りました。
大門 こういうことこそアメリカから学ぶべきだ。
財務相 租税回避行為に対する厳しい監視は国際会議で出始めており、どうするか考えていきたい。
首相 アメリカの取り組みは大変、参考になった。今後の議論に生かしていきたい。
大門氏は「税の引き下げ競争をやめ、負担能力のあるところに負担を求めれば、消費税増税しなくても財源は生まれる」と述べました。
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